KH真道 はずかしい




鋼鉄の/華っ柱という漫画の御前崎夢
朝涼の立場成り代わり。not朝涼。
完結後の話(ネタバレになるので注意!)



















___と真道は付き合ってる。

「絵のモデル?僕が?」

「出来れば___と俺で、という依頼だ。___は忙しいからな…、差し支えなければ受けてくれないか?」



お客さんの前だからこその言い回しに隠れて、真道の目が 断ってくれ! と伝えてきている。が、そんなのに従う僕ではない。絵のモデルならじっとしておくだけだし簡単そうだ。僕でも出来るだろう。それに、真道はどうせ受けるのだろうし。
ソファに座ってる真道の横に座ってお客さんを見る。目が…なんというか、少しギラついてて怖いがただのお姉さんに見える。



「僕なんかで良ければ、是非」

「ほ、ホントに!?やったあ!よろしくお願いします!」

「は、ハハ…それは、良かった」



ハハハと笑ってる真道の複雑そうな顔ったらないが、僕にはテーブルの上に乗ってる紙切れの方が興味深かった。2時間モデルでこの報酬…受けるしかないだろう。今の僕の目も、ギラついてる気がする。







「___…!ち、近い…!」

「我慢しなさい。僕たちはただのモデルなんだから」

「だ、だが、」



単刀直入にいうと、モデルとは同人誌のモデルだった。しかも、同性愛の。僕らにこれほどうってつけの仕事はないな、と思いながら組み敷いてる真道を見る。ほんのり赤い顔と、涙で潤んだ瞳、恥ずかしがってる表情。全て新鮮で、僕の中の何かを刺激する。キス、したい。可愛い八重歯を舐めて、舌を絡めて、懐柔して、あの蕩けるような顔をした真道をみたい。



「___…!!」

「へ?あ、ごめん、」



きゃあ、と小さな黄色い声が聞こえる。ぼうっと妄想していたらウッカリ顔を近づけていたらしく、真道の唇との距離が5センチを切っていた。でも、キス、したいんだよ。いいだろ?



「おっと手がすべったー」

「!!!!」



ちゅ、と真道にキスする。そのままコケた振りをして、いてて、とか小芝居しつつ起き上がる。真道を見下ろす、と。



「ぷっ、顔真っ赤…可愛いね真道」

「〜〜〜〜っ!!!(う、嬉しいがこんな所でこんな破廉恥なこと…!」



もっかいキスしていいかなーと見つめてると、誰かが息を大きく吸った。



「っきゃああああ!生BL!!い、今の撮った!!!?」

「ハッ、と、撮れてませんんん!!」

「えええええ今の!今のなに!?ちゅって!ちゅってしたああああ!!!」



あ、上手く隠したつもりだったけどやっぱ見えてたか。黄色い声を聞きながら、時計を見る。18:03。モデル終了。お姉さん達の雄叫びに余計恥ずかしくなったのか、真っ赤になってショートしてる真道をお姫様抱っこしてその部屋を後にした。報酬先払いでよかった。



「ごめんね真道。耐えられなかった」

「良い…紳士は広い心を持って相手を慈しむものだ…」

「はいはい、ありがとう超紳士、お礼にキスしましょうか?」

「!!」



また顔を赤くさせて、僕の首にしがみつく。部屋がいい。小さい声に了承を返して家路についた。夏野に見つかりませんように。


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