「…………なにしてんの」 寝起きの掠れた低い声で てつや、と拙く呼ばれる。心臓がドキドキする。___くんが腹式呼吸をするたびに僕の身体も上下する。 「…おもたい…」 「失礼です」 「かるいっつっても、おこるくせに」 彼のお腹に騎乗位のように座ってる僕にクスクスと笑う___くん。微かな揺れに小さく体が熱を持つ。身長も彼の方が高いし、いつも僕が押し倒される側だから、彼を見下ろすのは新鮮だ。 「___くん…」 「…えっちしたいの?」 「っ、」 直接的な物言いに息が詰まった。思わず視線を自分の手にそらす。その手に彼の右手が重ねられる。つぅ、と手を指先で撫でられて、期待が膨らむ。チラ、と___くんを盗み見ると、あのときに浮かべる艶やかな笑みではなくて、優しい 甘ったるい笑みを浮かべていた。ぐい、と僕の頭を自分の胸にのせるように引っ張られた。とくん、とくん、という心臓の音が心地いい。 「あした、ぶかつだろ?」 「はい、」 「てつやは たいりょくないんだから な?」 「分かりました…」 ___くんのくせに、僕を諭すなんて生意気です。 そう呟きながら広い胸板を軽く叩くと また体がふるえる。息を吸うと太陽の匂いのような、爽やかな若葉のような、そんな香りがします。太陽の匂いってほとんどダニの死骸の匂いだそうですが。 「てつや」 「何ですか?」 「すきだよ」 「…僕も、好きです」 to list |