すうぃーとすうぃーと | ナノ
孤独いちご


「嬉しそうですね。」


猫背の恋人は ぼさぼさの黒髪を掻きながらいつもの低いトーンで言った。


「へー?うん嬉しいよ?
だってエルがLとして外の人と直接交信するなんて…」


どうしてそれがこんなに嬉しいかなんて
第三者にはきっと理解の足元にも及ばないだろう
何故なら恋人は素性を隠さなきゃならない探偵で
私や世話役のワタリさん以外の人と
仮の姿じゃない時に関わりを持つことなんて滅多にないから。

そう、それは仕事上仕方のないこと。
私はそう理解してるし
もちろん本人も自分で決めてそうしてる。
けれど腑に落ちないのは
彼がいつも寂しそうな顔をしているから。

いや、そうじゃないの。
考えてみれば彼の顔は
元々濃い隈だらけの可哀想な顔だった。
なら何かと問われれば、それは彼がいつも
そんな顔とは裏腹の行動をとるからだと思う

寂しそうなくせに、寂しいくせに、
全然そんな素振りを見せないからだ。

そんな彼を見てると
時々どうしようもなく愛おしくなって
ぎゅっと抱きしめたくなる。

世界の名探偵は独りでいなきゃいけないの?
そんなの間違ってる。
だって名探偵Lも人間だもの。


「…どうしました?真幸…」


いつものように、
ふいに白い背中が愛しくなって抱きしめる。


「んー、何でもないよー…」


お願い寂しいって言って。
私が全部受け入れて愛してみせるから。














|


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -