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駆け落ちいちごジャム 2


ついに私は竜崎に口づけた。
竜崎の口内はまだジャムの味がする。
必死にそれを探る私の舌に竜崎の舌が絡み付く。

部屋に響く行為を思わせるような卑猥な水音。
捜査員の皆も聞いてる。
竜崎の口内からジャムの味がしなくなったところで
私に限界が訪れた。
触れ合っている竜崎の下からも僅かに熱を感じる。


「竜崎…もっと…もっと欲しい…」


「…仕方ないですね。
皆さん、私はしばらく自室に戻りますので
引き続き捜査とモニターのチェックをお願いします。」


そう言いながら、私を抱きかかえ、
部屋を出て行く2人を見て皆さんは何を思っただろうか。





それから数日後、
私と竜崎は夜神局長に呼び出された。


「あーあ。怒られちゃうのかなあ…」


「先日のあれですか、
私は怒られるようなことだとは思ってないです。が…
真幸。一体あの時はどうしてしまったんですか。」


あの日結局私の求めた行為が終わって
私が寝静まった後、
竜崎はすぐ仕事に戻ってしまったんだった。
そもそもタイミングがタイミングだったんだし
ゆっくりピロートーク、なんて
最初から期待はしていなかったけれど。
考えたらあれから2人きりでゆっくり話す機会なんてなかった。


「別に…何でもないよ。
…エルみたいに欲に正直になってみようと思っただけ。
けど節度があるよね、
エルまで呼び出されちゃって、ごめんね。」


「…なるほど、そうでしたか。
ではそのまま正直で居てください。
何があっても、です。」


「え、える、」


良い終わらないうちに
捜査本部の扉が竜崎によって開かれる。
夜神局長の待つ部屋だ。


「お待たせしました。」



「お、おお来たか。
休憩中にいきなり呼び出したりして
すまなかったな。」


「で、お話というのは。」


竜崎はいつもの目を大きく見開いた無表情。
彼との付き合いが長い私は知っている。
これはいつもの顔だけど、
何か考えがある時の顔なんだ。
けど何を考えているかは全くわからない。
さっき何があっても、なんて言ってたし、
彼のとんでもない発想力を考えれば、
何を言い出すか少し怖いくらいだ。


「あ、あぁそうだな、
わ、わかってるだろうとは思うが、
少し注意したいことがあってな。」


夜神局長は大袈裟に咳払いをしながら
そう言った


「はい」


「個人的な付き合いはいいとして
仕事中にあれはどうかと思うんだ…
いや、竜宮は竜崎にとって
隣にいたら推理力が上がる
スウィーツと同等の存在だと理解はして
今までも大目に見てきたんだが…
皆と相談して決めたんだが、
どうだろうか。この際、
竜宮を仕事中は部屋から出さないようにしてみては…」


「っ、そんなのっ…!」


思わず言葉が口に出る。
あぁでも駄目だ、節度を守れなかったのは、わたし。
また同じ失敗は繰り返すべきじゃない。


「…真幸。
私がさっき言ったことを覚えていますか?」


「覚えてる…けど、
ここは正直になっちゃいけないところで…」


「…私は何があっても、と言いました。
夜神さん。」


「なっ、何だ」


2人の話に呆れ顔だった局長が急に顔を上げる。

まさか仕事中本部に出入り禁止にされるなんて
さすがのエルも予想外だっただろう…
私だって考えもつかなかった。
そんなの、嫌…ずっと仕事してるエルに
仕事中会えないなんて…

予想外の展開に、
エルは何を言い出すつもりなんだろう。


「夜神さん、わかりました。
申し訳なかったと、反省しています。
私もう決めました。
…真幸と駆け落ちします。」





エルの言葉は、意表をついたものだった。






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