おれたち友達!

「なんだよ倉持、話って」
「……おまえに、いいたいことがある」
「言いたいこと? なに、告白とか?」
「ち、ちがう! 変なこと言うな馬鹿!」
「冗談だよ、冗談。で?」
「お、お前のおかげで、年末祭の準備、生徒会の人も僕も助かった」
「ああ。そのことか」
「だから、その……あ、ありがとう」
「いいって、いいって、気にすんなよ。お前のほうがいっぱい仕事してたじゃんか。改まって言われると何か照れるしさぁ」
「今まで、お前のこと気に食わなかったけど」
「はは、知ってる」
「しかたないから……と、友達になってやってもいい」
「へ?」

◇◆◇

「……返事は」
「え? あ、あー……なんか、ごめん」
「っ」
「あ、違う違う、そっちのごめんじゃないから! ちがうから! そんな顔するなって」
「……何が違うって言うのさ、やっぱり、嫌なんだろ。親衛隊長と友達になるのなんて」
「そうじゃなくって!……うーんと、えっとな、改めて言うのはちょっと恥ずかしいんだけど」
「?」
「俺は、もうとっくにお前のこと友達だって思ってたんだよ。でもお前は違ったみたいだし、勝手にそう思ってて、ごめんな?」
「は? え、と、ともだち、だったの? ぼくたち」
「うん。俺の中では勝手に。割と半年くらい前から……」
「ばっ、ばっかじゃないの、おまえ! 誰に許可取ったのさ!」
「だからごめんって。お前も俺と友達になるって言ってくれたし、これでチャラにしてくれよー。このままじゃ勘違いKYで恥ずかしいし。な? 頼むよ」
「……し、仕方ないから許してやる。ともだち、だし」
「うん、ありがと。改めてよろしくな、ひなた」
「!」
「あ、照れてる」
「ち、ちがうもん! 調子に乗るな! ばーかばーか!」
「あらら、逃げちゃったよ……結局これかぁ」

◇◆◇

「高倉、何見てるの?」
「お、唐橋いいところに来たな。アレ見てくれよ」
「倉持と……? 二人で何してるんだろう、あ、倉持が逃げた」
「友達になったらしい。大方、恥ずかしくて逃げたんだろ」
「今更? あんなに喋ってたのに、友達じゃなかったのか」
「あっちはそう思ってたみたいだ。でも倉持はいじっぱりだからな……アイツなら倉持とうまくやれるだろ。安心だ」
「ふふ、高倉……なんか、倉持の保護者みたい」
「かわいいんだから、仕方ないだろ?」
「堂々とそう言っちゃう所が高倉らしいね」
「かわいいのが二人も並んでると眼福この上ないな。これからが楽しみだ」
「……撤回。高倉、ちょっとオヤジ入ってるよ」

【くらもちきゅん早見表】
倉持⇒会長(こんな人間になりたい、という理想)
倉持⇒高倉(ちょっと意地悪だけど頼れる先輩)
倉持⇒王道君(と、友達になってやってもいいんだからね!)
ちなみに、このちょうしで脇役君とも友達になりました。

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