猫好きの不良と

「とりあえず、彼女がいること伝えて、セックスは丁重にお断りしてきた」
「ほぉ、してその反応は?」
「……お前は女を抱くより抱かれる方が似合うって」
「あらー」
「侮辱罪で訴えてやりたい。ということでもう一発殴ってきました」
「男前だな」
「ところが交わされて、押し倒されました」
「ふむ。その首のキスマークはそのときのか」
「げっ、まじで!? そんなんついてる!?」
「うん。彼女にばれたら修羅場だから気をつけろ。てかよく逃げ出せたな」
「……校則違反並みに髪の長い美形が部屋に入ってきたから」
「ああ、唐橋(からはし)副会長な」
「女かと思った」
「それ言うと殺される」
「鷹匠に手を上げたお転婆は君のことか、かわいいね。なんて言われたんだけど、あの人も変態?」
「推して知るべしってやつだな」
「俺男に可愛いって言われんの初めてなんだけど」
「この学校は平凡成分不足してるから、めずらしいんだよ」
「……お前も平凡のクセに」
「俺は世渡りが上手なの。で、ちゃんと逃げてきたんだな」
「途中不良にぶつかって、相手が持ってた猫のえさ廊下にぶちまけた」
「不良って言うと鬼沢(きざわ)先輩か。猫好きとはまたステレオタイプ」
「猫好きのことばらしたら、殺すって……」
「おいおまえ、俺にばらすなよ。俺まで殺されるだろうが」
「ごまかすために『俺の家にも猫いますよ、猫って可愛いですよねー』なんて愛想笑いしてたら、すげー反応してさ。こんど俺の家来たいって。泣きたい」
「まぁがんばれ」
「ばか。真相を知っちまったお前も道連れだ。おまえんちの猫のことも10割増くらい誇張して可愛いって言っといた。おまえんちの猫も見たいって」
「うわ、お前最低!」

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