ああ、いらいらする。

新入りは鬱陶しいし、ナランチャはうるさいし、フーゴもそれを止めてくれるかと思いきや一緒くたになって騒いでいる。あいつは沸点が低すぎやしないか。唯一この場をうまく落ち着かせてくれそうなブチャラティは何だかの用事でここにはいないんだ、ああ全く!

チッと舌打ちをして、少しでも気分を直そうと紅茶を飲み下す。
と、さっきまで拳銃の整備をしていたミスタがこちらを見ているのに気付いた。なんだ、お前まで俺の気分を悪くさせるつもりじゃあないだろうな。
睨みつけてやると、ミスタは苦笑して人差し指をつきだして、眉間をつついてきた。

「眉間。シワ。すげぇぞ」

俺もたいがい単純だったようだ。

こういう皺は癖になるぜ、なんて言いながらけらけらと笑うこいつを見て、荒れていた気分も何故だか落ち着いて、今までいらついていたことなんか全部わすれてしまった。



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