ポインセチアは甘くない | ナノ


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「まず人数、欠席者はわからねえが大体30人前後だったな?」
「聞いたのは1年前だからそこにOBが増えてるかもしれねえけどな、うん」
交友の広さから人づてにではあるものの例のサークルの詳細を知っているらしい。
確認するように問うサソリに口癖なのかただ頷いてるだけなのか判断がつかない返しをした。
眺めの金髪を揺らしデイダラの口から出てきた族という言葉にめんどくせぇとサソリが舌打ちした。
社会人となったOBがいるという事は顧客もとっているかもしれない。それこそ金の力でどうにかされてしまいかねない人物とかが。
結構な大事になってきてしまっている。慎重にやらないとこっちが警察沙汰になりかねない。
義務教育を終え、全員二十歳を超えている。同じサークルのメンバーを一人救い出すのに刑がつくのは頂けない。
そこそこ鍛えているし動けるからと言って単純計算で5倍ほどの人数を相手出来るとは思わない。それに向こうは援軍が来るかもしれない。
正直なところナマエだけ回収できればそれでいいのだが、こっそりと帰って来ていないところを見ると逃げ道を塞がれているに違いないだろう。
あのナマエの事だ、どうせ一人でも置いて行くとなれば囮にでもなりかねない。
全員を守りながら戦うのは分が悪い。サソリの説明を頭に叩き込みながらイタチは馬鹿や非情になりきれず損を被りやすい幼馴染を浮かべ眉間を抑えた。

「角都は隠れて証拠取れ、どうせ後で示談交渉する気だろ?レコーダーも渡しておいてやる」
投げられた小さな機械を取った角都がサッと使い方を確認した。金のことになると途端に行動的になる角都は一通り機能と容量を確認するとそれをコートのポケットへ仕舞い込んだ。
殴られる時は一発貰ってからだと忠告したサソリの目の端がとらえた男の姿を各々が確認し、静かに立ち上がった。


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