宝石とさよなら | ナノ


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サソリの意外な……子供じみた嫉妬心に苦笑したチクマは我愛羅も昔同じことを聞いてきたよと思い出を交え音話し出す。
サソリ一人に任せてしまうのも手だが、分断が罠だった場合に対処できないと砂で教えている隠密行動のいろはを説く。
今まで所属していた暁のメンバーは各々が恐ろしく強い個体だったから、弱い人間たちの行動方法が想像できなかったらしい。
いくら食事が要らない体だからと言っても新作の傀儡をこさえるのにも金品が必要である。
狩る側だった時もそういったことを考えなかったのかと不思議がるチクマの問いを肯定したサソリが口を開いた。

「自分の値段が上がれば上がるほど賞金稼ぎや討伐隊の価値も比例して上がるからな、そういうことは考えなくてよかったんだ」
たまに姿を現してそれを待ってるだけでいくらでも金が入る良いシステムだったぜと人を小馬鹿にするような笑みを浮かべたサソリ。
それを正面から受けたチクマは「ああ蠍の狩り方、アンタそういうギャグも言うんだ……」と目を細め注視点を遠くへやった。
追撃の様に無駄な労力をかけるなんて馬鹿の極みだろうと鼻で笑うサソリに戦争が終わったらうちの里だけでも犯罪者討伐システムを見直すべきだなと心に決めたのだった。


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