宝石とさよなら | ナノ


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「いや、うちはマダラ……という男だった」
「外見は?」
「橙の面の、しゃがんでいたから正確な目測はできないがミフネ様より幾分か身長が高いかと」

「……そうか。知ら……いや、眼鏡女からの情報にはなかったな」
五代目火影辺りが臥せってなければもう少し情報が手に入ったんだろうが、こればかりは仕方ないかと若干身を乗り出していたサソリが浮いた尻を畳に落ち着かせる。
一瞬自身が暁の構成員だったことを仄めかしかけたがどうにか取り繕い……というよりは強引に誤魔化しきる。
隣でダンゾウの時よりひどく焦っていたナマエだったが、そのことについてあえて触れてこないのか、スルーされていったのをみてほっと息をついていることを感じつつ、サソリは暁の構成員の末端までの顔を片っ端から思い出しに来ていた。

チヨの元で培ってきた傀儡パーツを見分けるのに大切な観察眼と記憶力を応用し、無駄に他人の顔を覚えるのは得意だったのだが、やはりどこを探せども該当者が見当たらなかった。
一人静かに記憶の海を泳いでいたサソリが陸地にあがるとやはり知らない人物だとナマエに耳打ちする。
別に聞こえても構わないため目の前でやってみたのだが、そんな安い挑発に乗るほど馬鹿ではないようで。
何のリアクションも見せず、ただこちらの反応をうかがい腕を組んでいるミフネは後ろに控えていたタガヤに目配せを送った。


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