宝石とさよなら | ナノ


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「ナマエがやったってどういうことなの?」
カンクロウが代用の石割道具で亀裂を入れると狭苦しい岩の中で絡み合っていた二人が桃太郎よろしく生まれてきた。
……と同時に熱気も一緒に外へ逃げ、すぐに穴の開いた天井から入り込んできた外気に捕まり敗北する。
ぜえはぁと酸素の少なかった身体にめいいっぱい冷気を取り込むとああしんどかったと地面に手を付け肩で息をした。

そんなナマエの身体の負担にならないようにそっとすり寄り抱きしめた我愛羅だったがだんだんと回した腕の力が強くなり、これはたまらんとばかりに上体を起こし彼を正面から抱きしめてやる。
暗闇の中に居た為サソリは無事かと今更確認したが、外套の中で蒸された核を冷やすため胸を開いているらしいが外傷はないようだった。
天井を見、周りも見渡し、安全が確認できたナマエはようやくテマリの質問に答える姿勢を見せた。
「壁を溶かした?みたいな?」
壁材、土だったらしくて、有機物混ざってたから大きいのができなくてさ。
チャクラめちゃくちゃ消費してあの場でできたのがこの1m程度の塊なんだと指をさした。
「効率的じゃなかったがでかいモンに関しての対抗策はオレもこいつも持ち合わせてなかったからよ。通路も崩れてるところを見ると壁に穴開けて逃げるよりこっちで正解だったみてぇだな」
歪だろうが球体にしておけば上に積まれることもないし面で受け止めるよりずっと強度も増す。
こつこつと2つに割れた岩を叩きその分厚さを確認していたサソリが外套の下で静かに胸元のパーツを閉じた。

「無事だったのか、砂の者」
「あ、はい。ご心配をおかけしました!」
止血は終えているもののまだ違和感があるのか自ら落とした腕の切り口を触りながら雷影、その後ろに護衛の二人が顔を見せた。
ちらりと割れた岩を見て変な術を持っているんだなとダルイが評し、ナマエは苦笑いする。
「……どうなんでしょうね」
トップシークレットであるキンコウの身体のことは口にできないためそう暈したナマエからいつの間にか離れて体勢を影の物に立て直していた我愛羅に、雷影は「ワシはサスケを追う」と告げる。
その目がお前はどうするんだと尋ねているのに気づき、ナマエを視界に入れ「救護室…」と言いかけた我愛羅にかぶせる様にして、「うちはサスケ達以外の暁の人間が入り込んでる可能性がありますし私たちもいきます」とナマエは返事を返した。


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