宝石とさよなら | ナノ


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しばらく落ち着かない日々が続いたが今日届いた文を前に我愛羅は風影の机に突っ伏していた。
隣で見守ってきたシュデンはそんな我愛羅の様子を見て微笑みお茶を淹れてきますと部屋を出ていく。
ついでに最近食事が喉を通らなかったようだと思い出し茶請けの菓子も皿に並べ道を帰ればナマエとサソリが戸を開けたところだった。
「あ、シュデンちゃんお先どうぞ」
手に荷物を持ってるし開けられないでしょと人の好く笑顔で道を譲られ面喰いつつも表情は固めたまま中へ入る。
気に食わないが挨拶だからと軽く会釈をし突っ伏した我愛羅の前に身体が持ちません、少しでもお摂りくださいと並べれば礼とともに指で一つ茶菓子をつまんだ。
それを見て後から入ってきたナマエも明らかにほっとしているが、我愛羅様の体調管理は貴様の役目じゃなかったのかと非難がましい視線を送れば目を逸らされる。

「……女の争いは後でやってくれねぇか?」
めんどくせぇからと二人の間に割って入ったサソリが我愛羅に向けて人払いをするように言いつけた。
これではどっちの立場が上なんだかとサソリをにらみつけたシュデンに視線を流し挑発するように口端をあげたサソリをナマエが止める。
なんでこのメンバーだといつもこんな一発触発な雰囲気になるんだとごちるナマエがサソリの服の裾をつかみ自身の隣に引き戻すとそれに嫉妬した我愛羅が眉間にしわを寄せたものの今はやることをやってしまおうと暗部へ合図を向けた。
風影の執務室を中心に陣を組んでいた彼らの気配がさっと消え我愛羅の考えを察したシュデンが壁にもたれかかる。
それを見計らったように「文の内容は」と問うサソリを途中で止め、先ほどチクマから連絡がきたから聞きに来たのだとナマエが経緯を話し出した。


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