宝石とさよなら | ナノ


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「痛覚はどんどん鈍くなってるわ薬も効きにくくなってるわ、さすが死人の身体だな。憑依してるんだったか?」
「そうだ、抗体のでき方が早くなっているのが気になるが大蛇丸が死んだ今誰にも頼れないからな……、薬学に詳しい奴がいてくれた方が助かる」
「……なんだよその目、オレは何もしてねぇぜ?」

この素体にひっついてるやつのガードが固くて指の一本も出せねぇよとマスクで少しこもり気味の嘲笑を手術台に落とす。

いつもの麻酔をしても意識も言葉もはっきりとしたままで、痛覚が鈍いからと仕方なしにそのまま腹を開いて異常がないか機械のように点検をしている。
薬が効きにくくなってきているのに危機感を抱く三者はしばらく無言で見つめあっていた。

「つまり、風邪をひいたら」
「薬が効かねぇ分風邪もそうだが毒もなるべく避けたほうがいい」
多少は上位のものを作ってはやれるが強ければ強いほど毒になる。なるべく使わないように心掛けたほうがいいとメモを起こしながらサソリは告げる。
薬なしで毒素を取り除けるのは木の葉の火影とピンク頭くらいだろうと唸るサソリにナマエが二人はできないのかと聞くが一瞬の間をあけ同時に首を横に振った。
「無理だな、オレらは畑が違う」
「サソリは薬を使うこと前提だし、オレはそもそも一般の外科みたいなもんだからね」
「そういうことだ、もともとこいつは一般職からシフトしてきている」
「うん、ちょっとしたきっかけで医療忍者に方向転換したから戦闘自体は毛が生えた程度なんだよね」
ついでにくっつけたり切ったりは得意だけど内科染みたことは不得手だからそういった患者は適当に他に回してると笑うマタンがチクマみたいなピーキーなんだと自称する。
あれも戦闘は苦手でしょ?それでもオレより幾分か手数は多いけど今回は不意打ちを食らったんだろうねと先ほどの負傷の話に戻りだす。
テッカンを連れてったから逃げ切れたようなものだよねと一人頷くマタンに静かに同意したサソリが情報部のやつらは捕まるとすぐ拷問にかけられるから気を付けろとナマエの腹を縫いながら忠告する。
まさかそこまで心配してくれていると思わず、目元のみを露出させているサソリの顔を凝視しわかったと頷いた。



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