宝石とさよなら | ナノ


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「のう、ナマエとやら。少し時間を貰えんか?」
「……どの位でしょう?」
自来也様の問いかけに質問で返す。会議が終わってから呼びとめたことを見るに綱手様やテマリちゃんには効かれたくない事なのだろうか。
出来れば直接チクマちゃんの耳に入れたかった。我愛羅君みたいに声にしなくても通じるテレパシーのような状態ならよかったのだがあいにくチャクラを大量に消費すると伝えられ覚えるのを諦めている。そして例の通信くぉ使うにも声を出せばいつ人に聞かれているかわからないのは素人目からしても明らかなので出来れば控えたい。
会議も終わったし安否確認とやらを終えたらすぐにリターンしたいのだが……、考え込む私に心配ないと首を緩く振り腕をあげると15分ばかりだと親指と人差し指で空気を掴んだ。
「テマリちゃん、場所は大体目星ついてる?テマリちゃんの“お友達”なんだし挨拶しておきたいな」
もしかすると将来一緒になるかもしれないしとニヤつく顔を必死に抑え聞けば「ん?ああ、会議の前通りがかりに見つけた」と帰されてしまった。
「え、もう見つけ…え?」
「さっきからそわそわしてるの隠しきれてないぞナマエ。まあ大通りの定食屋で引きとめておくからゆっくりしててもいいぞ」
自来也殿もだがナマエもあいつに話したいことがあるんだろう?と一歩上を行ったテマリはナマエは昔から身内と話をするときは特に解りやすいって定評があるからなと呵々大笑した。
我愛羅君にもカンクロウ君にも同じこと言われたと肩を落とし落ち込んだナマエの肩を二度ポンと叩き、じゃあ先に行っているからなと後ろ手をあげ階段を下りて行った。

「お主は暈すと話が進まなそうだから直球で言うぞ」
角を曲がった空き部屋にて、自来也様にそう一言忠告され、何を言われるのかと少し身構えた。
我愛羅君がぽろぽろ零しているからこの人がどんな情報を仕入れたのかわからない。それにあのチクマちゃんも認める実力の持ち主だという。
情報収集も然り、蝦蟇仙人という肩書も伊達ではないらしく、堂々とした佇まいには一戦も交えていないのに風格すら感じる。
眉をひそめたナマエの動きから少し間を開けて自来也は「お主、一度ダンゾウに捕まったことがあるだろう?何をされた」と尋ねた。


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