宝石とさよなら | ナノ


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「綱手様、ビンゴです。やはり潜入していました」
ちょうどナルト君たちのいる最初の中忍試験でしたよと勘が当たり少し嬉しそうにするシズネに深刻そうな顔を向けると綱手はその書類を受け取りぱらぱらと読み込むとこちらに写真を見せた。
こちらに十二分に里の傷になりえる部分を見せて来て大丈夫なのかと心配するが隣の自来也も黙ったままだし良いのだろうと踏み、恐る恐る焦点を写真へと合わせる。
眼鏡をかけた青年はどことなく気弱そうな佇まいをしているものの、その瞳からは男の考えていることは読めなかった。
我愛羅のポーカーフェイスで日常的に鍛えられているナマエとテマリだったが、感情が読み取りにくいだけの我愛羅と違いこちらは“何もない”ようだ。

やはり見たことがないと返すと顎を擦り砂には行ってなかったかと自来也が答えた。
表向きは同盟国だがすでに一度破られているために大蛇丸の部下であるカブトという男を匿ってはいないかを推し量っていたようである。どうも見つからないらしい。
どれだけ大蛇丸という研究者と木の葉の因縁が強大なのかに少しばかり触れたような気がして黙っておいた。質問が尋問に代わりそうだ。
守鶴という絶対的戦力を失った今、燻ぶっていた上役も手を出そうなんて戯言を吐かなくなってはいるが、自分の事を知っていたこの男なら不穏分子の存在も嗅ぎ取っているはずである。
内政干渉まではしないだろうがそれでも……、彼らのその考えを否定した後の態度にこちらも共に肩の荷を下ろす。

大蛇丸の腹心だったカブトという名の男の消息が分からなくなったという。
何があったのかを知りたいのはこちらも同じだと伝え、協力体制の申し出を受け入れた。


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