宝石とさよなら | ナノ


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「が、我愛羅君のSPですか……?それならシュデンちゃんが」
それに私アカデミー生より弱いですよと動揺して聞き直せばそのくらい知ってるよと鼻で笑われる。
解ってるなら彼女の方が確実に守れるじゃないですかと意義を唱えれば解ってないなぁと評された。

「シュデンは金がかかるんだよ」
シュデン自体はタダでも喜んでやるだろうけどシュデンが抜けた穴を埋めるために人員がいる。一つ目はそれを埋めるための人件費ね。
それに日中はシュデンがほぼ引っ付いて護衛しているけど我愛羅と一緒には住んでいないから不自然なんだよ。
まだ里で情報が出回ってないから既に敵が入り込んでいたら感づかれる可能性もある。スパイにはばれなくともシュデンを知る上層部には確実にばれてしまう。
しかもこれはまだ不確定要素なんだ。風影に直接言えばいいと言ってもあいつはやることがいっぱいあるし仕事を増やしたくない。まあ増やせる穴もないんだけど。
日時が決まっているわけじゃないから警戒態勢の時期が長ければ長いほどばれる可能性と金がでかくなる。
秘密裏に動こうとしている中でそれはあまりにも不味い。
その点ナマエは自宅は一緒だろ?夜間ずっとそばにいるわけだし正規の忍じゃないから金がかからない。さらに私の部下として契約しているから連絡を取りやすい。

「な?最適なのはナマエなんだよ」
チクマの良く回る舌から飛び出た大海に呑まれたナマエは押し黙る。
確かに言ってることは正しい。給料の点が気になるけど良くしてもらっているし我愛羅君のそばにいることは普段と変わらないからとブラックの片鱗を見せたチクマの言葉に見て見ぬふりをする。
ただ、やはり自信がないのだ。強くない自分が一緒に居ても肉壁位にしか意味がない。その壁役も動けなくなればただの粗大ごみである。

食べかけの夕食を前にし微妙な反応をするナマエにチクマが「わかってるよ、自身がないんだろ?」と声をかける。
図星だとばかりに右往左往し出した目に苦笑し、早めに力を付けてほしいし修行は私が監督をすると名乗り出た。

「ナマエは時空間忍術が使えないけどそれ以外なら習得できれば使えるようになるだろうし……」
「時空間忍術……、が使えないってどういう事ですか」
「おっと、不味い事口にしちゃったかな」
今までナマエを諭すようにずっと合わせていた視線を中空に漂わせそっぽを向いたチクマにナマエはさらに踏み込む。
観念したと両手を頭のわきにあげると「禁術のあわせの関係上瞬身とかが使えないんだ」と元の世界に帰ることはできないという部分をぼやかし答える。
身体に魂をくっつけているからそれがずれて分離してしまうのだと簡単に説明すれば移動は自身の足でしかできないってことですかと落ち着き椅子に背中を預けた。
「まあそういう事、制約かけてわるいね」
そう謝るチクマにいえ…と微妙な返事を返したナマエにそれ以外の忍術はチヨバア様のやる気があるうちに頼んどくからそれでいいねと尋ねる。
もう彼女の中では決まっていることだろうにわざわざ確認をするのかと職業柄なのか相手の出方を見ている彼女に解ったと頷いた。

「それとサポートなんだけど……さっき良い事思いついてね」
両立できる方法思いついたからやらない?
そうウインクしながら提案してきた上司にあちらの世界で無茶振りを良く仕掛けてきた部長を思いだし嫌な予感がすると顔を歪めた。


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