宝石とさよなら | ナノ


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チャクラの練り方を木の葉で一応は習得しておいたことが幸いした。ツブラちゃんと共に練るのを練習していたのは無駄ではなかったのだ。
さらにそのチャクラを一点に集中させるのは身体の主導権を渡した時にキンコウさんがやってくれたから感覚で覚えていたし、これもすぐに出来るようになった。
一発で動かすことが出来た我愛羅君とは雲泥の差だが、小一時間程度で傀儡を持ち上げるところまで追いついたのはなかなか悪くないんじゃないだろうか。
どうよどうよ?だなんて得意げな顔を二人に向ければ、ぶつんと指先の重みが無くなり傀儡は地へと落ちて行く。
「ナマエはまだよそ見できるほど余裕ないじゃん?」
「すいませぇん……」

この細いチャクラの糸を維持するのはなかなかに難しい。先ほどから落としては繋げ維持するという事を何度も繰り返していた。
先に進んでいる我愛羅君は「砂の方が微調整が利く」と小さく文句を零しつつもぎこちなく指先で動かすことが出来て来ているというのに……。
情けないとは思いつつもモチベーションがどんどん下がっていくのに気付いた私は自分自身を心の中で励ますと臥せった傀儡に糸をかける。
太さは一定にしないと切れやすいのは普通の糸と変わらず、負荷のかかり方にばらつきがあれば大きく力がかかった方が軋むのは何でも同じなようだ。
集中していれば時間が過ぎるのも早い、23時を回ってしまったのにふと気づいた私は傀儡をゆっくりと下へ降ろした。
カンクロウ君だって自分の事があるだろうし我愛羅君はすでに隣で一定量は習得している。
頼めば徹夜で教えてくれるだろうが明日も全員仕事がある、支障をきたすのは良くない。
ありがとうカンクロウ君とお礼を言えば二人も時計を確認しおお…と同時に唸ると黒蟻をカンクロウ君へと返した。

「そういえばさ、チャクラの量って戦闘しなくても増やせるの?」
玄関で靴を履いているカンクロウ君の見送りに来た私はふとそう尋ねた。
今の段階だとチヨ様の言った通り無駄に放出してしまいすぐにばててしまうだろう。
どうやら私は小手先が上手くなるのに時間がかかる様だし、それならばチャクラ量を増やして幾分かスタミナも増やしておいた方が良いのではないだろうか。
決して楽をしたいわけじゃないけど再三言っているようにいざって言うときに間に合わなかったでは話にならないのだ。
「普段から慣らしておけば多少は増えるんじゃないか?」
「そう……」
オレ達の場合は親父からどんどん敵振り分けられて育ったから修行っぽい修行はしたことないけど…。
我愛羅はどう思うと話を振れば、子供のころから刺客を送られてた分カンクロウより答えられないだろうと突っ込んだ。


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