カミングアウト(前)



あの後兄さんを病院へ運んだ
大事には至っていないようで安心した

兄さんの学校にも連絡したのでそのうちバスケ部の方が来るかもしれないな
さて、これから兄妹二人でどう生きていこうか

まあ私が働けばいいことか
今までの貯金もあることだし

…兄さんはともかく私はどうなるんだ?
中学生だよ?
多分施設とかの話に…
親戚がいたわ
多分さつきちゃんとこあたりに引き取られる可能性がでてくる…
それはなんとか阻止しなければ…

ボンゴレに頼んでなんとかしてもらおう
でも兄さんだけは一般人として生活させてあげたいな



ボンゴレから連絡が入った
父さんのファミリーはエデンと言うらしい
イタリアのヴェネチアにある少数ファミリーだそうだ
ボンゴレも元々目をつけていたファミリーらしい
これを期に潰していいかと聞かれた
イエス以外の答えを私は答えるつもりはない
拉致されたり人体実験を受けていた子たちは保護してくれることにもなってる

そんな連絡を受けている時に病室の扉がノックされる

「あ、すみません 誰か来たようなのでまた連絡します」
『わかったわ お大事にね』
「はい」

ボンゴレの情報部隊副隊長のアリシアさん
とてもいい方だ

「どうぞ」

ガラッ
入ってきたのは4人の制服姿の人達
バスケ部で兄さんと仲良くしてくれてる人たち
未来のレギュラー陣と言ってもいいだろう

「古橋…」
皆さん辛気臭い顔してますね

「皆さん大丈夫ですよ 命に関わる怪我はしていませんし、退院したらバスケもできます」
「そうか…誰にやられたとか…わかんねぇよな…」
ザキさん、実は知ってるんですよ
実の父親にやられたなんて言えるわけないけどね

「やっぱ俺らのこと恨んでるやつらー? 対戦校とかさ」
「もしそうだとしても古橋がそう簡単にやられるとは思えない」

みんなで考察しているみたいだ
私と花さんは傍観に回る

暫くして兄さんの目が覚めた
ナースコールを押して医者に兄さんの容態をみてもらう
どこも異常はないらしい

皆が兄さんに何があったのか聞いている
兄さん…余計なことは喋らないでくれよ…?
てかその記憶自体忘れてしまえ!

兄さんは何があったか覚えていないと言った
それが嘘でも本当でも助かった
よかった

みんながそろそろ帰るかーと言って帰ろうとしたとき

「花宮…もう少しだけここにいてくれないか?」

…に、兄さんってやっぱり花宮厨だったんだ…←

「…じゃあ私も帰ろうか?」
「いや、彼方もここにいてくれ」
「…わかった」

…兄さんやっぱり覚えてるのかな…
病室に私と兄さん、花さんだけになった

兄さんはなにか言うのを躊躇いながら口を開いた

「マフィア…」

鳥肌が立った
焦った
やっぱり兄さんは覚えていた
私に言うならまだわかる
だが花さんがいるのは?
花さんにも言うつもりか?
たとえ部活で仲良くしていたとしても、花さんに言う必要はあるのか?

「古橋…お前…マフィアと関わりがあったのか?」

え、花さん何言ってるんですか
マフィアなんて単語だけでよくわかったなおい!
心のなかでつい突っ込んでしまう

「ああ…父さんがマフィア?のボス?だったらしい」

兄さんはまだマフィア云々わかっていないらしい

「…その父親はどうしたんだ」
「死にました」
「…」
兄さんが口を開く前に答える

「…誰が殺った」
もはや疑問符がついてませんよ花さん
これは何してでも聞き出すって顔してるよ

しらばっくれようと思い口を開いた
のだが
「俺だ」
「兄さん?!」
私の言葉にかぶせるように兄さんが答えた




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