■ 3
「ぁ、っく……」
一瞬の絶頂。今までに散々味わった拷問のような長い絶頂感とはまるで違う。空虚な快楽だった。
俺は息を整えながら、鬼戸の尻を撫でた。
「良かったか? ……なぁ、答えろ。答えろよ。なあ、おいっ!」
ぱあん、と音を立てて鬼戸の尻を平手で打つ。
「答えろ! 豚のくせに、無視するつもりか? 答えろと言ってるだろうがっ!!」
何度も何度もそう繰り返し、打ち続けた。
息があがり、手が痺れ、俺の声は掠れた。
体が、熱い。
抑えようもない欲望がこみ上げる。
仕込まれた体は、さっきのような一瞬の絶頂では治まらない。
俺は、鬼戸の腰に爪を立て縋った。
「なあ、……答えろ……、俺のはどうだった? 満足できた? なあ、あんたの望みどおりにできたか? いい子にできたか? なあ、……教えてくれ、答えてくれ。頼む、頼むよ、お願いだから……」
醜い傷に覆われた、冷たい肉の塊。
その背中に、ぽたりと涙が散った。
鬼戸は答えない。
その指ひとつ動かさない。
冷たい眼で俺を見ることもない。
あの眼が俺を見ることは、二度とない。
脳裏でぶつりと何かが焼ききれるような音が弾けた。
「っあ、うあっ、あああぁあああああ! ねが、お、っお願い、……お願いですっ、お願い、ですから、俺に、私のはしたない尻に、ご褒美を、ください……っ、ご主人様っ!!」
頬を伝う熱い涙が、青褪めた肌に砕ける。冷たく凝った肉の中で、俺の雄は硬度を取り戻していく。熱く脈打つ雄よりも、さらに激しく疼く後ろが辛くて、俺は紛らわすように激しく腰を打ちつけ、鬼戸の尻を犯した。
「どうして……っ、どうし、て、答えて、くださらない……っ?こう、されたかったのでしょう? だめですかっ? 私のではっ、ダメですかっ? お願いです、疼くんです、私の、いやらしい豚の尻の穴に、入れてください、ご主人さま、のを、お願いです……っぁ、ああ、ご主人様、ご主人様っ、答えてください、お願いです! 許して、くださらないのですか? 私が、私が、あなたが撃たれるの、守れ、なかった、から? っぁあ、ごめんなさい、もう、許してください、お願いです、ご主人様、答えてください、お願いです、ご主人さまぁ……っ」
果てても果ててもまだ飢え渇く欲望に突き動かされて、何度も何度も、泣きながら、許しを請いながら、犯し続けた。
なにをすればいい?
どうすればあなたは許してくれる?
俺はそんなことも解らないバカな豚です。
鞭をください、罰してください。
それであなたの許しが得られるなら、何をされてもいい。
だからどうか、答えてください。
この惨めな牝豚の声を聞いてください。
応えてください。
どうか。お願いだから。
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