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十、ある愛がありまして。
私は愛する生き物です。
私がキレイと息を飲むとき。
君が一人で泣いているとき。
私が可哀相と同情するとき。
君が病に苦しんでいるとき。
私が艶やかと感嘆するとき。
君が終に外道になったとき。
私が驚き呆れてしまうとき。
君の悪口が平凡であるとき。
私が支えたいと感じるとき。
君が辛苦に立ち向かうとき。
私が自分を誇りに思うとき。
君が私を頼ってくれたとき。

しかしね、我が君。
私が君を可愛いと思うとき。
それは不謹慎にも君が悪夢に飛び起きたときなのです。


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あとがき
少し前に書いたものを簡単に修正してみました。詩? っぽいものです。



  
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