九つ、耀く物がありまして。
私は宝石を売る者です。

君の瞳から真珠が零れた時、
私はそれを恭しく掬い取り、
君が病で臥せった時、
私はトパーズを蕩かして与え、
君が道を忘れた時、
私は耀くオパールを足元に落とし、
君のルビーのように禍々しく紅い言葉は、
私の心臓をいとも容易く串刺しにし、
君が辛く苦しみながら生きている時は、
私がエメラルドの風を吹かせ、
君が私を求める時は、
私は君にラピスラズリを授けるでしょう。

そうであるから、我が君よ。
君は安心して夢みなさい。
この黒曜石の海を私が泳がせたげるから。


  
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