若き才媛・神儺(かんな)さまへ捧ぐ
あなたの描く素敵なイラストと、
あなたの紡ぐ素晴らしい小説と、
そして、勿論あなた自身に、
心からの敬愛とたくさんの感謝を込めて・・・
とある山奥の小さなバス停の近くに、小さなお店があります。
その扉には、こんな看板が・・・ 《喫茶・雑貨 猫目堂》
『あなたの探しているものがきっと見つかります。
どうぞお気軽にお入りください』 さあ、扉を開けて。
あなたも何か探しものはありませんか?【 猫 目 堂 】《特別編》― 桜 sakura ―
カランカラン…
ドアベルが澄んだ軽やかな音を立て、木の扉がゆっくりと開かれる。
「いらっしゃいませ」
それと同時に、綺麗な顔をした若い男が二人、カウンターの中から声をかけてくる。
ここは、とある山の中。
小さなバス停から見える林の奥に、隠れ家のようにひっそりと佇む小さなお店『猫目堂』。
店内には、コーヒーのいい香りと清潔な空気が流れている。
造りは小さいがちょっと洒落た感じの店。置いてある家具も小物もアンティークっぽいもので、売っている雑貨もみんな趣味のいいものばかり。
それにどこか懐かしい感じがする。まるで遠い昔にどこかで会っているような……そんな不思議な感じ。
お客はゆっくりと店内を見回すと、カウンターの向こうにいる二人の店員――金髪のラエルと黒髪のカイト――に親しげに声をかけた。
「こんにちは」
その人物を見て、二人は少しだけ目を見開き、次にはまるで花が咲くように華やかに笑った。
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