奥で何か倒れる音がした。
「風か?」
それほど強くなかったのに、と呟いて奥へと向かう明良についていく
奥にあったのは仏壇。シンプルなものだ

倒れたのは遺影だろうか。それを立てる明良の手が止まった。



「どうして――――ないんだろうな」

小さい声だった。

吐き出した息はわずかに震えているようにも思えた。
その答えを……理解した。



写真に写る喫茶店は、まだ真新しい
そこに映るのは子供と祖母だろうか、仲良くパフェを食べている。
パフェの大きさに嬉しそうに笑う子供
それを優しく見守り、微笑むを向ける女性




全てを諭して、目を瞑る



言葉が浮かばない 足りない

だからシンプルに伝える。


『笑ってた』

それで充分な言葉


見えなくても、感じなくても





伝わる





そこに存在する







【透明な感覚】







fin



+++++

ご飯三杯いけます……!
おおおぉぉ!やったぜオレ!!

人様の手で自分のキャラが動くのは勿論嬉しいですし、更にはそれで物語がつむがれていくのがもう。たまんないですね。
しかも「銀色夜話」のもっさり感というかどんより感も踏まえつつ、爽やかさ全面に押しだし、どこか涼やかな雰囲気まで漂っているのは私には真似出来ません。

明良が抱く影と嵐が抱く影、普段なあなあで茶化して流していたもの(…)をこんな形で描いて頂けるとは思いませんでした。いつかはちゃんと描いた方がいいのかなあと思いつつ、こうして描いて頂いたのは本当にありがたいことです。
すちゃらかの裏にはこんなこともあるんですよ、と(笑)

本当にありがとうございます!


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