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 「で、どうだったの?」

 おっとりとカウンター席に腰掛ける神儺に、淹れたてのカプチーノを差し出しながら、カイトは期待に満ちた瞳で問いかけた。
 神儺は、そんなカイトににっこりとほほ笑んで見せると、

 「今年も見事に咲いていましたよ。ほら…」

 そう言って、一枝の桜をカイトとラエルに見せた。
 淡く柔らかな花びらが、いくつもいくつも咲き誇っている。

 「桜の木が、今年もぜひおじいさんとおばあさんに見せて欲しいって。一番綺麗に咲いた枝をくれたんです」
 「そうか。あの桜も、二人のことを忘れていないんだね」
 「ええ、勿論です。それに、あの狸たちも」

 神儺はくすりと微笑した。

 「あれから二十年も経って、もうすっかり世代交代したというのに、いまだにあの屋敷跡から離れようとしません」
 「そうなんだ…」
 「理由を聞いたら、『先祖にとって恩人なら、自分たちにとっても恩人だ。自分たちはこの土地を守り続ける。狸というものは、受けた恩は千年忘れないものだから』って言うんですよ。思わず笑ってしまいました」

 神儺の言葉に、カイトとラエルも声を立てて笑った。

 「その狸たちなら、千年過ぎてもそこに居続けそうだよね」
 「ああ、そうだね、カイト。おかげで桜の木も、きっと淋しくないだろう」

 そんな二人の言葉に、

 「ええ、間違いありませんよ」

 神儺も本当に嬉しそうに笑った。


 優しい笑顔に満たされた『猫目堂』の中を、さわやかな春風が吹き抜けていった。















《おしまい》



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どどどどうしますどうします!何か見知った名前がありますですよ!うはうは。緩んだ顔が戻りません……本当に嬉しすぎます。日本語変でごめんなさい。はああーええわええわー。素敵お二人と話している「神儺」がいる!……へへ。凹んだ時の特効薬にさせて頂きます。この穏やかな話もこの嬉しさも(^O^)

水名月様本当にありがとうございます!


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