跡部と入れ替わりまして |
「ガッ!?」 「ィデッ!?」 撫子が過去のスコア表が入ってある段ボール箱を外へ持って出ようとしたときに運悪く跡部が部室の中に入ってきて、撫子が運悪く躓きお互いの頭がジャストミートし、撫子と跡部が盛大に頭を打ち付けた。そして、問題が発生した。 「……あれ?私が目の前に居る。」 と跡部が言った。 「あーん?なんで俺様の姿が俺の視界に入ってんだ?」 こんなところに鏡があったか?と撫子が言った。暫しの沈黙。沈黙するしかなかった。だって、撫子の外見から跡部の口調が、跡部の外見から撫子の口調が聞かれたのだがら。 「「……………は?」」 二人は頭の整理がついたのか、一言単語を発した。 「「「「「は?」」」」」 同じく反応を見ていたメンバーも一言単語を発した。 「え、ちょまさかの精神入れ替わりktkr!?テラ王道マジワロスファァアアアア!!」 跡部が撫子を指差しながら腹を抱えて笑っている。 「……もしかして…撫子なんか?」 忍足が跡部を指差しながら問う。 「お、忍足分かる?凄くね?コレ、マジ凄くね?まさかの入れ替わりだよ?頭打ったらこんなんなったんだよ?マジ神がかってない?」 「……うん、凄いわ。でもな跡部の外見で撫子の言葉使いは止めてくれへん?」 「えー。」 「えー、やないいで。見てみぃ、周りを…俺以外の奴ら固まっとるで。」 忍足に指摘され撫子は周りを見渡してみる。今起こった現象をジッッと見て考察しているらしい。茫然としているとも言う。 「あらホント。みんな固まっちゃって、草不可避!ねぇ、跡部見てみ?私らめっちゃ注目浴びてるよ!……跡部?」 問いかけてみたが返事が無く。もう一度名前を呼んでみた。 「な、なん、ん?」 撫子の外見が目を大きく見開いて驚いている。 「あっちゃー流石の跡部も戸惑うのか。つか私ってこんなに目ぇ見開けれるんだ。」 「いや、普通に適応しとる撫子の方が異常やからな。」 「異常(アブノーマル)だって?だったら箱庭学園行ってくるね!」 「待ち、落ち着けマジで。跡部の外見で奇奇怪怪な行動起こさんといて俺の腹筋がぶっ壊れてまう。」 「えー……そんなこと言われるとなんかしたくなるのが撫子なの。」 「やめたってー!」 跡部の外見で人差し指を口にくわえ物欲しそうな外見をしようとする撫子。それを忍足が阻止しようと、頑張る。忍足と撫子の攻防戦が繰り広げられた。 数十分後。息切れをしている忍足と撫子、なんとか現実に戻ってこれた跡部、状況を理解することが出来たメンバーが当事者二人を囲み、話を始める。 「へー、本当にそんなことって起こるんだな。」 「そうですね。まさかそんな漫画のような出来事を目の前で見ることになるなんて思ってもみませんでした。」 「ですよねー、私も頭同士打ち付けたらこんなになるなんてねぇ。まぁ、戻り方なら分かってるし…もう少しこれで遊ぼうか。」 「却下だ、俺様の気品が損なわれる。」 今までにないくらいふんぞり返っている撫子の外見をした跡部。 「やでぷー、跡部こそいつもの私の様にお淑やかに、優雅に振舞いなさいよ。」 「ハンッ、お前ごときがお淑やかならその辺に居る犬っころなんて気品あふれるものになってるだろうよ。」 撫子の発言を鼻で笑う。 「きっさま、なんという侮辱を、私耐えれない!およよよよよ…。」 跡部の格好でめそめそと泣くふりをする撫子。 「な、おまっそんなみっともない真似を俺様の体でしてんじゃねぇよバァカ!」 跡部が撫子の行動を阻止しようと、というか入れ替わりを止めてしまおうと撫子の頭を目がけ突進する。 「―――オイ、樺地。」 撫子は自分の腐のオーラ的なものをひっこめ、いつもの跡部の様に冷たい気品を帯びたオーラを身に纏う。指を鳴らし、樺地の名を呼び命令を下す。そして樺地は撫子(外見跡部)の言うことを聞き跡部(外見撫子)の体を羽交い締めにした。 「樺地なにすッ!?」 樺地の行動に驚いた。 「何慌ててんのさ、跡部が私に跡部様に振舞えって言ったんじゃん、だから頑張ってぇ、俺様みたいに振舞ったのにぃ。」 「椿崎先輩、その格好で語尾を伸ばさないで下さい、気持ち悪いです。」 「やん、日吉って辛辣。」 「ホンマ跡部のキャラ崩壊しとるで…撫子、この際やなんかかましたれや。自暴自棄や自暴自棄。」 「おぉ、お許しが出たぞ。ふーむ…何をしよう。」 「おいコラ、俺様は許してねぇぞ。何をする気だやめろ。」 跡部の意見もそうシカトをかまし、考え中の撫子。 「んー…あ、そうだ。」 なにか思いついたようだ。 撫子は着ていた制服の上着をダイナミック脱衣。そしてカッターシャツのボタンを程よく開けた。 「おい!テメェなにしてんだ、アーン!?」 「ダイナミック脱衣なう。」 そしてメンバーに向かい合うように体を翻す。 「「「!?」」」 まさかこちらを向くとは思わなかったメンバーが驚きのリアクションを見せた。そして撫子はメンバーの足元に体でしなを作るように座り込む。少々苦しそうに胸元のシャツを軽く握りしめる。赤く火照った顔を横に向け、視線だけメンバーに移す。所謂流し目だ。 「……ッんぁ。」 喘げば完璧。セクシービーム(笑)跡部ver。真っ赤になるメンバー。 「おぉ、跡部の色気は男子にも効くのか、へー…。」 「しゃ、しゃーないやん。跡部の色気は異常なんやから……。」 「…かーらーの?」 で撫子はさらにポーズを変え、雌豹のポーズ+αで舌をペロッと出す。ゴクリと生唾を飲んだ音が聞こえた気がした。 「…100年の友情も冷めるぞ、それ。」 「椿崎ッてめ、止めろ!てめぇに恥じはねーのか!?」 見ることしかできていない跡部が叫んだ。 「無い。アンタの体だし、別に恥ずかしくねーよ。鏡に映ってないし。あ、M字開脚でもしようかな?」 体勢を次に移そうとする。 「やぁああめぇえええろぉぉおおおおッ!!離せ樺地ぃいい!!!」 「ウ、ウス。」 阻止しようと跡部が叫ぶ。樺地もその気持ちに圧されたのか、拘束を解いてしまった。 地面を思いっきり蹴り、跳躍する。そのままのスピードで跡部の頭と撫子の頭同士が再び衝突する。 「ガァッ!?」 「グッ!」 「……イテテテテテテ、跡部アンタ…もう少しぶつかり方考えられなかったわけ?」 「………………。」 今度はちゃんと撫子の体から撫子の口調が聞こえた。戻ることが出来たようだ。撫子はブツブツ文句を言い。跡部は無言のまま下を向いている。 「テメェ…よくも…よくも俺様の体であんなことを…。」 「いいじゃん減るもんじゃないし。」 「絶対、許さねぇ…今度はテメェをピ―――してピ――のピ――――――――してやる。覚悟しろ。」 ゆらぁり、と跡部が撫子に近づく。 「イヤ、マジそれ勘弁。」 「跡部ぇ!」 これから跡部と撫子の死闘が繰り広げられると思ったが、忍足が跡部を呼んだ。 「ぁあ?」 機嫌が悪い跡部。乱暴に返事を返す。 「俺…目覚めてもうたかもしれん!」 「…は?」 「いや、景ちゃんの魅力がよう分った!!景ちゃん俺と楽しいことせんか?」 忍足がセクハラまがいの行動を跡部にとった。 「ッ!?」 跡部が忍足の邪悪なオーラに当てられ、後ずさる。 「あー…跡部逃げた方が良いよ。そいつ、知識だけはしっかりあるから…………掘られちゃうぞ☆ついでにお前も目覚めちゃうぞ☆」 むしろ掘られちまえ、と撫子は残酷な助言を言い放った。 「なっッ!?来るんじゃねぇぇえぇええええ!!」 一目散に逃げて行った跡部。キングの面影もあったもんじゃない逃走。そんな逃走を遠くから滝に見られ、録画までされていたことは秘密。 ――――――――― 100000hit企画、第1弾 七様リクエストの「デストロイ主が跡部と中身が入れ替わる。」でした。 オチがgdgdですみません…文章で入れ替わりネタを扱うのは難しいですね。表現的な意味で、 いい経験を積むことが出来ました。リクエストありがとうございました。 |
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