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なんだろう、違和感がある。 先程まで助けて、とうわ言を言っていた人にしてはかなり先の事を考えて話をしている。 本来なら希望をギリギリ叶えた上で、黒子にも色々と仕掛けて遊んでやろうとする彼らの魂胆に見事に引っかかってくれない。 引っかかってくれない為、高尾は少々驚いて、考えた。そして気付いた。 「………うっわぁ…しくった。黒子っち…今かなり頭冴えてんだろ。」 「はい。君達がどうでもいいことを話していてくれたおかげで色々と考えることが出来ました。」 つまりそう言う事。 気が動転もなにもしていない状態になってしまったようだ。冷静にもほどがある。 「うわ、やっちまった…もう、涼ちゃんのせいだかんね!」 「俺のせいっスか!?ほんっと高尾っちは俺のせいにするの好きっすよね。」 「いや、俺は人のせいにするのが大好きなだけ。 仕方ないや。だったら俺らの持てる力を使ってお前を目の敵にしてるやつらに復讐をしてやんよ。」 「ではお願いします。 …高尾君は精神的抹殺。黄瀬君は社会的抹殺でしたよね?」 「あ?そうだけど、何?お前にとっちゃ、どっちも一緒なんだろ?」 「ええ、ですが、それならば問題ありません。 では僕はそろそろ帰らないと。両親が心配してしまいます。」 「あっそ。 ご両親もいい人だねぇ。黒子っちみたいないい子が育つわけだ。」 「同意っスわー。じゃ、黒子っち!またメールするね!」 「はい。では失礼します。」 黒子が席から立ち、二人がその後ろ姿を見送った。 ここに残ったのは高尾と黄瀬の二人。 「この俺としたことが抜かったなぁ。緑間の言葉を借りるなら人事を尽くしきれなかったのだよ。ってかー?わー…楽しみも半減。」 氷が溶けて味が薄くなってしまったコーラを最後まで飲み干しながら言った。 「いいじゃないっスか。半減なら半分残ってんしょ?あ、水とってくるっすね。」 黄瀬から水を受けとりそれで口の中を潤しながら高尾はさらにポテトを食べ進めた。 「お、気が聞くな。サンキュ。 しっかし黒子っちは気にしてたな。俺らがどういった属性なのか。 俺は精神的にフルボッコにして、涼ちゃんが世間的に殺すって感じ?それを聞いて黒子っちは安堵をしてた…ってことは分かるよな?」 「勿論っスよ。つまり黒子っちの最大の願いはもう一度、他の奴らとバスケがしたいってことなんスよねー?」 「つまりそう言う事。 やっちまったなー。黒子っち。俺らは確かに身体的にはやんねぇけど、それは俺と涼ちゃんってだけで。 まぁ、もし黒子っちが『彼らともう一度バスケをすることが僕の願いです』なんて言ってもその時は多分…。」 「車椅子バスケ、出来るでショ?って言うんスよね?高尾っちは。」 「正解。最低限、黒子っちの願いは叶えてやってるから俺は嘘はついてねぇ。」 確かにちょっと不自由になってしまっても車椅子生活になってしまっても最近では車椅子バスケも注目されている。 車椅子バスケも悪いものではない。しかし黒子以外がそう言った状況になってしまった場合どうだろう。 フェアな試合と言えるだろか?車椅子であるので高さも足りない、ルールも違う。そんな中黒子は満足するのか? 剰え、青峰の野性的なバスケは見れない。緑間の3Pシュートも下肢の筋力が使えない為思う通りにはならないだろう。紫原の高さを生かしたバスケも出来ない。そんな彼らと試合をして黒子は満足するのだろうか? むしろ、身体的な復讐を全く想像していない黒子がそう言った結末になってしまったことに対して自分の責任だと感じないで済むのだろうか? 冷静的になってしまって、理性的になってしまったと言う事は罪悪感はたっぷりとのしかかってくる。 まだ衝動的にやってしまったのなら責任転嫁も容易であるが、考えて、考えて、それで出した黒子の答えだ。その答えに黒子は押しつぶされないでいられるのだろうか? それは後々分かること。 「本当に最低限っスね!この下種野郎!」 「黙れよぉ。お前だってその願いに対してプロへの道をぶっ潰そうとしたんだろ?」 「え?イヤっスねぇ、今回もっすよ!じゃないと俺の出番皆無っス!!」 「ハハハ、だろうな。このゲス野郎! つっての俺も今回は影薄くなるなぁ。後はこの人任せっつーことで。身体的抹殺のスペシャリストにお任せしまショー!」 「スっねぇ。それにかけては右に出る人は居ないっすもんねぇ。」 「つーわけで、ポチっとな。 あーもしもし、花宮さん?新しい玩具手に入りましたよー!一緒に遊ビマセンカァ?」 ――――――――――――――― あとがき ゲスい高尾君がとりあえず書きたかったんです。ゲスい黄瀬君も書きたかったんです。花宮さんについては出来心です。 でもそこまでゲスく出来なかったんです。 詐欺ですみません。 黄瀬君もゲス設定にしてすみません。 でもこの二人は天使でもいいけれど、ゲスでも美味しいような気がします。 と言いますか。性格をあみだで決めるとかどう言う事なんでしょう。意味が分かりませんねすみません。 ピクシブで公開していたものをこちらでもうpした次第ですが、その時、充分ゲスいです、とドン引きの言葉を頂きました。 ショックでした。ゲスの境界線が分からなくなっている自分に。感覚が麻痺してたんでしょうね。 |
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