青春Destroy | ナノ


064


次の日撫子はひとりで立海に向かった。
忍足がついて行きたいと言っていたが、お前最近出張りすぎという理由でとりあえず自宅警備員に任命なう。

そして立海に無事に辿り着き正門入り口でウロウロ。
やってきました。立海大付属中学校。

うん、デカい。大きさだけじゃ氷帝に勝っていると思う。

さて、どうしよう。
思いっきり私服で来ちゃったし、しかも私部外者。直ぐに警備員とかに捕まって職務質問とか受けそう。
あ、職務質問はあれか。ガチ警官じゃないとしないのかな。

まぁなんだ、とりあえず柳生君出て来てくれたら万事解決である。
そんなことを考えていると奥から誰かが出てきた様子が見て取れた。目を凝らして見ると柳生のようだ。

「撫子さん、お待たせしました。」

「…うん。」

「では早速、データを……。おや?」

「どうかした?」

「……データを部室に置いてきてしまったようです。」

「マジ?」

「すぐ取りに…そうだ撫子さん。今日の練習見学して行きませんか?」

「良いんですか!?」

ィヤッホー!見学見学け・ん・が・く!
これはターゲット(紳士×詐欺師)の日常を見れるフラグ!あ、ついでにマスターに挨拶しよ。

「えぇ、幸村君には私が言っておきますから。わざわざ立海まで取りに来て下さったお礼ですよ。」

「うわー!ありがとう!お礼にちゅーしてあげようか。」

撫子は左手を右頬やや下側にをかける。

「え、ちょっ止めて下さい!」

撫子はそのままニコリと笑う。

「で、あんたは何がしたいんだ?仁王。」

「いでででででッ!」

左手に力を入れ右頬やや下を思いっきり力の限り、削ぎ落とすような感覚で擦る。
そうしたらなんと言うことでしょう、見事ホクロが現れました。
そこにホクロのある立海生はたった一人。

「私の特技は肉を削ぎ落とす事です。今みたいに必要に迫られればいつでも披露します。私の特技を体験したいんであれば…どうぞもう一回無様な変装をして近づいて来てください。」

「……プリ。」

なんと柳生だと思っていた人は仁王だった。

「私が気付かないと思ったのか?バカにしてんじゃねーぞ。」

「自信はあったんじゃがのぉ…いつから気付いとったんじゃ?」

「……その姿でそんな話し方すんな。気持ち悪い。
コスプレが許されるのは二次元のキャラをする時までなんだからね!もしくは2.5次元までなんだからね!」

「…………。」

仁王は無言でウィッグをとる。

「うむ、マシになった…顔のつくりは悪くないんだからそのままで居ろや。…イケメン眼鏡萌えー…。」

「質問に答えんか。」

「さーせんした。えー、始めからだぜ?
柳生君が私のことを撫子って呼ぶのはコスをしてるときだけ、いつもは椿崎さんって呼んでくるぜ?メールとか、
詐欺師のクセに抜かったな。修行が足りんわー!分かりましたぞお館さむぁ!!」

「…真田みたいなこと言わんでくれ。」

「え、真田君BASARA知ってんの!?」

「…真田はパンピじゃ。」

「何で真田君みたいな?」

現代では言わないだろう。
修行が足りん。などと言う言葉。

「真田は…現代に残されたラストサムライじゃ。」

「マジか。」

ラストサムライ…前回真田君とはあまり絡んでなかったからわっかんね。

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