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次の日撫子が学校に行くと大変なことになっていた。 詳しく言うなら撫子の隣の席のメガネの周りに何時もより人が…女子が二倍集っている様な。 自分の席に近付けない状況になっていた。女子の集団の中に特攻して自分の席に着く度胸など無い。所謂チキンさ、笑えよ。 しかし、女子が撫子の姿を確認すると女子達は睨みつけ自分の席に、教室に、と帰って行った。 統制された集団行動ですこと。それだけ統制された行動が出来るのならば、始めから人の邪魔をしない様な行動を心がけてほしいところである。 「…キラ星!」 「キラ星……撫子、大変なことになったで。」 「え?何が?」 何だろう。この忍足とても憔悴しきっている。 「これ…なんか分かるか?」 忍足はスっとケータイを取り出し画像を見せる。 撫子がKAITO、仁王ががくぽのコスで中庭に居るときの写メだった。 「やっぱあの時のシャッター音って忍足のだったんだ。つか勝手に写すとかマナー違反だぞコラ。」 「ちゃう俺が撮ったんやない!さっきの女子達に貰うたんや。『学校に忘れ物しちゃってて取りに行ったら見たこと無い人が居たから写メったの』やて。」 「ふーん…マジで?」 「マジや!ほんまどないするん!?」 「どないしようなかぁ…。」 撫子はあまり焦ってない態度である。 代わりに忍足が焦っている。 「なんでそんな落ち着いて居られるんや!?もうちょい焦りぃや!」 「いや…だってねぇ…バレてないし。で、さっきの女子達はKAITOのことなんて言ってたの?」 「『忍足君ってこんなカッコいい男の子と知り合いだったの!?この人誰?どこかの貴族?紹介してぇ!』っと色々言うとったで。うへぇ、猫なで声オロロロ。」 「ほう…好評ですな!」 これは使える。 「俺どないすればええ?とりあえず架空の人物ですって言っとけばええ?」 「んー…とりあえず黙っといて、時期を見計らって私直々にバラしに行くさ。」 「なんでや?」 「まぁ、色々と。上手く事が運べば、イジメも無くなるぜ?」 「そうなん…俺になんか出来ることあるか?」 イジメと言うワードに忍足は少し責任を感じているようだ。 「忍足はいつも通り跡部とか岳人とかとランデブーしてれればいいよ。岳人や跡部とランデブー、ランデブーほらランデブー♪」 「よし!精一杯ランデブー…って何でやねん。誰がいつ跡部や岳人とランデブーしたっちゅーねん!」 「フッ…バカだなぁ、俺のフィルター舐めんなよ。ラリーしてる時点で俺の脳内ヤバいから、安心しろ。」 「黙ってぇえ!なにが安心やねん!もうまともにラリー出来んくなってまうやん!!」 「ドンマイ(笑)」 「ウザいわ!ちょっとは自重しろや!」 「自重なんてしたら何のためにマネージャーになったのか分かんないじゃん。それに私の辞書には自重なんて二文字は存在、しっなーい。」 「もう還れ…土に。」 「嫌DEATH☆」 撫子はこの日から本を描き上げようと頑張る。 勉強そっちのけで授業中でもお構いなしに作業を続ける。 忘れがちだが撫子は成績は良いのだ。 授業中ものすごい勢いでペンが動いていても先生方には一生懸命勉強しているようにしか見えないのである。 |
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