青春Destroy | ナノ


東京友達公園


「ね、光君。これ誰得番組?」

「勿論俺得番組っすわ。」

「俺得番組でもあるっすよ。そもそも撫子さんはこれ出たかったんでしょ?」

「あー、うん。これって皆小学校の頃とか出たいとか思わなかった?私、ある意味でること夢だったんだけども。」

「俺も出たかったでー。」

「あ、謙也君、私の事椿崎って呼ぶなよ。一応伏せてもらってる身だからな。」

「りょーかいや、撫子!」

「謙也さん、撫子さんを呼び捨てとか生意気っすわ。」

「そんなん言われても!」

「おー、喧嘩ップル喧嘩ップル!リョーマ、しっかり観察しておこうね!」

「す!」

「出番でーす、準備お願いします。」

「「「はーい。」」」


「東京フレンズパークU!!今回のお客様は最近笑顔動画という動画投稿コミュニケーションサイトで活躍中の撫子さんとぜんざい君とそのお友達、サムライ君とスピードスター君です!初めての挑戦者、グランドスラム目指して頑張ってください。」

紹介されて登場しますは撫子と財前とリョーマと謙也。そう、なんとこの四人、テレビ出演です。笑顔動画からの初進出である。
因みにせめてもの顔バレ対策で撫子はマスクを、その他はサングラスをしている。一見怪しい集団である。

「初めましてー、笑顔動画一、自重していない撫子です!」
「初めまして、ぜんざいっすわ。」
「友達の忍足や。」
「同じく越前っす。」

「皆さんはこう…花粉症ですか?」

「いやいや、ちょっと顔バレNGなんで。」

「そうなんですか。フレンズパーク初めての試みですね。では早速アトラクションに向かいましょう。」

司会者のツッコミも何となく回避して早速アトラクションである。
一個目のアトラクションは友達公園と言えばこれ!と言われる名物ゲームの「ウォールクラッチュ」。
マジックテープの特製ジャンプスーツを着てトランポリンを使って壁にジャンプする。そして両手の高さで得点が決まる。クリアゾーンに片手でも届けばその時点でクリア。 真ん中のNGゾーンに手が入ったら得点はゼロ。であると言うゲーム。今回は男女ペアの為170点でクリアとなる。

「キター!…これって、岳人とか桃尻とか菊丸君とかだとトランポリンなくてもいける気がするよね。」

「確かに…桃先輩の脚力っすかね。あれはオリンピック並だと思うっす。」

「では誰から飛びますか?」

「はいはいはーい!私から行く!」

立候補者撫子。

「おおー、確かに女性から飛んであとからカバーする作戦ですか?」

「おい、司会者。撫子さんを侮っとるんやないで、撫子さんなら一発でクリアいったりますわ。」

「ぜんざいさーん。司会者に喧嘩売らないでねー。むしろここで私がクリアしたらそれでこのゲームが終わっちゃうから私、クリアしないよ。」

「撫子さんッ謙虚っすわ!」

「…どこがや。」

思いっきりクリアできるけどしないって言ってるようなものではないか。手を抜く発言をしているようなものだ。

「では始め!」ピッ!

「きゃっほー!………あ。」

「「「あ。」」」

「流石撫子さんっす!一回でクリア、おめでとうございます!」

とんだお茶の間泣かせだよ。両手がクリアゾーンに達している。
というわけで、

「………よっこらせっくs、よ。」

ベリッと剥がしてNGゾーンに再び張り付ける。

「えっと…失敗と言う事で、いいですか?」

「はい!後はサムライさんとぜんざいさんとスピードスターさんがクリアしてくれるんで!」

と言う訳で、撫子は失敗残りのメンバーだけでいける。まぁ、撫子の予想通り越前と財前はクリアゾーン。しかし、一応皆させてもらうことにした。それからとりの謙也。

「よっしゃぁ!スピードスターが魅せたんでー!」

と意気込んだのはいいが、流石スピードスター。スピードを重視し過ぎて、トランポリンの使用タイミングがずれ、ただ単に壁に突進してしまった形となった。つまり得点として5点5点の10点であった。

「あ、この得点、スターさんの前回の世界史のテストの得点やないですか?」

「なッアホ言うな!46点で赤点回避したわ!」

「うわ、だっさ。そんだけの点数しか取れへんかったんすか。」

「謀ったな!」

「引っかかったスターさんが悪いんすわ。」

「司会者さん司会者さん、次のアトラクション行ってみましょー。」

二人の会話を強制終了させるために撫子は司会者にコーナーを進める様にお願いした。

「では次のアトラクション行ってみましょう!お次はこれ、『クイズ!身体&頭脳』!」

このアトラクションは頭脳と体力を使うクイズゲームである。
ゲスト本人にまつわる問題を15秒のうちに答える。しかし1人がジョギングマシーンで規定のスピード(男性12km/時、女性10km/時)を出し続けていなければならない。

「と言う訳で、まずはサムライさんに答えていただきましょう。撫子さん走ってくださいね。」

「「ちーっす。」」

指定されたため二人はセットへ。

「ではサムライに質問です。」

「ちーっす。」

「サムライさんはテニスをやってるそうですね。」

「ちーっす。」

「結構な実力があるようで?」

「ちーっす。」

「どんな技持ってますか?」

「………………………。」

「作戦会議してきましたねー?では早速始めましょう、クイズ、サーブの名前10個答えて!さぁ撫子さん、走って!」

「えっとツイストサーブ、零式サーブ、ウォーターフォール、弾丸サーブ、キックサーブ、虎砲、タンホイザーサーブ、スカッドサーブ、ネオスカットサーブ、ナックルサーブ。」

「正解です!このクイズ出てくると思いました?」

「…まだまだだね。」

「ちょ、ちょっといいですか?」

リョーマがドヤァっとしていると撫子が息も絶え絶えに司会者に申し出た。

「はい撫子さん。」

「これ、結構厳しい。ホント…。」

「それはそうでしょう。撫子さん、マスクしてるじゃないですか。」

「あ…司会者さん。ちょっとマスク外すんでモザイクお願いします。」

「ではこの競技だけ撫子さんはモザイクで、と言いますか撫子さんもサングラスにしたらどうですか?」

「いや、笑顔動画の方でも私はマスクで隠してる人なんで…口元出したら晒すことに…。」

「あぁ、そうなんですか。ではモザイク処理お願いしますよー。」

と言う事で撫子はこの競技に限りモザイク。

「では次はぜんざいさんに答えていただきましょう。走るのはスピードスターさんです。」

「ではぜんざいさん。あなたはボーカロイドというソフトを使って作曲をなさっているようですが。」

「っすわ。」

「そのソフトはどのくらい持っているのでしょう?」

「っすわ。」

「そのソフトの名前は?」

「っすわ。」

「…では答えていただきましょう。ボーカロイドの名前、S○FTWARE社の製品、答えを5つ!スピードスターさん、走って!」

「え!?CRYPT○Nやないんすか……S-A2miki、Yuki、kiyoteru、iroha、Yukariっすわ。つーかこの答えぎりぎりやないですか。もっとメジャーな方にしてほしかったっすわ。」

「ぜんざいさん流石!」

「撫子さんに褒められるとか光栄の極みっすわ!今度撫子さんオリジナル力ボカロになってみませんっすか?」

「え、是非!」

「お?なにやらコラボする話が決定したようですね。おめでとうございます。では次撫子さんが回答者で、サムライさんが走ってください。もう、上げ足は無いようなのでいきなりクイズ、大輔と言う名の俳優5人答えよ!サムライさん走って!!」

「浪川○輔さん、岸尾○いすけさん、郷里○輔さん、坂口○輔さん、小野○輔ぇぇえええ!!さん。」

「正解です!俳優と言ったのも関わらず、声優だけしか答えませんでしたね。」

「それしか分かりません!」

「では次はスピードスターさんが回答者でぜんざいさんが走ってください。スピードスターさん、前のアトラクションでは失敗していますからね。次こそは成功しないとですね。」

「分かっとるわ!次こそスピードスターの本領発揮や!」

「では答えてください。今年の全国中学生男子テニス部団体戦ベスト8以上の学校5つ答えよ!さぁぜんざいさん走って!」

「えっと、四天宝寺、青学、立海、不動峰、えっと…え、なんやったっけ。あれ?え、えぇ、えええ、牧野ノ藤学園?え、ちゃう?ええ、え。」

「あー、時間切れです!残念!他の答えとしては氷帝学園、名古屋星徳などですねー。」

「ドンマーイ。氷帝忘れるとか後から怒られてねー。」

またも活躍できなかった謙也。一問ぐらい落とすのはどうってことない。しかし、懸命に走っていた財前の額にはうっすらと血管が見え隠れ。

「スターさん…。」

「ヒッ、なんですか?ぜんざいさん…。」

「俺がこんだけ走ったのに得点にならんてどういう事っすか。」

「す、すみませんッ!」

「スピードスター名乗っとるんですから、質問に答えるんもスピードスターとちゃいますか!?」

「…そこだけは、スr――。」

「スローリーやなんて言ったらぶっ飛ばしますよ。」

「………。」

と、まぁ、ミスってしまったわけなのだけれど、その後回ってきたときにはちゃんとクリアできていた謙也。よかったね。面目は保たれたよ。
そして結果的にこのアトラクションもクリア。見事にグランドスラムである。
参加したアトラクション全てをクリアしてしまったチーム笑顔動画(仮)。ついにダーツである。一人一本ずつあるのでそれぞれが投げると言うことになった。
景品は撫子希望の最新のノートパソコンと一眼レフデジカメ。リョーマ希望のゲーム機のセット。財前希望のオーディオセットとボカロ全種。謙也希望のカジュアルなブランドの服のセット。である。

「ではスピードスターさん第一投目どうぞ!」

「スターさん、最高級たわしでええじゃないですか。」

「アホ抜かせ!……シュッ!」

謙也が投げたダーツはなんと財前希望のオーディオセットに刺さった。

「あ…。」

「……ぜんざい…いるか?」

「スターさん…初めて尊敬しますわ!」

「え、知り合って一年以上たっとんのに初めてとか…悲しいっちゅー話や……。」

「じゃ、次は俺っすわ。撫子さんの当てたります!」

「そこは俺のちゃうんか!」

「………っし!」

「「「あ…。」」」

財前が当てたのはリョーマ希望のゲーム機のセット。

「…サムライ、いるか?」

「く…。欲しいっす……。」

「じゃ自分、撫子さんの当ててや。」

「待て待て待て、自分の狙いなよ!私は私でとるから!先に自分でとっとくよ!サムライさんはとりで!……セイッ!……スターさん、いる?」

「お…おぉ、アリガトゴザマス。」

撫子に当ててもらったと言う事で二人の鋭い視線が突き刺さる。謙也の寿命が縮まった気がした。

「やっぱり俺が撫子さんのを当てないとっすね!…ショ!……キャァアア!!」

「うわー、綺麗なオチが付いたね、サムライさん。大丈夫さ、この展開を皆待ち望んでた。」

リョーマの投げたダーツはなんと高級たわし。

「すみませんんんん…!」

「なんでそんなに謝るのさ?たわし良いじゃん。」

「…え?」

「だってよ、たわしっつっても最高級じゃんか。それを残念がるなんぞ作ってる人たちに失礼でしょうが。」

「「撫子さんっ!」」

なんだか感動的なことを言い残して撫子と愉快な仲間たちのテレビ進出は幕を閉じた。





―――――――――
500000hit企画第50弾
日向様「青春主+αがテレビに出演/出来ればリョーマと光+αは誰でも」でした。

番組は何でもいいと言う事でこの番組にしました。他にも「しゃべ○り」や「風にしやがれ」とか「シークレットの風ちゃん」とかそっちも考えたのですが…、この番組が終わっていたことにこれを執筆するために調べていて初めて知り、なんだがショックを受けてしまったので、この番組にしました。

<< TOP >> 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -