青春Destroy | ナノ


お姉様と呼びたくないの


「撫子さん、今日は有意義なものにしよう。」

「撫子ー、なんや頼みって売り子か。あ、ちょっとDEATHってや。」

「マスター、命を懸けてもそうしましょう!忍足も来ててくれて感謝する!これでもバーネット邸執事、撫子・サトクリフDEATH★」

そう、撫子は黒執事のグレルのコスでのイベ参加である。ついでに柳とのコラボによりサークル参加もしました。

「のぉ撫子、これ忘れちゃいかんぜよ。」

ちなみに仁王もセバスチャンでコス参加。おまけで柳生も居る。

「お、忘れてた。これがマスターでこれが忍足ね!」

でかい紙袋を二人に渡す。

「…やはりか…では着替えてくる。番は頼んだ。」

柳は紙袋を受け取り更衣室へ。

「え?なんなん?これ。」

「マスターは劉、お前はマダムレッドだ!」

「なんでやねん!なんで俺が女装せなあかんのや!」

「え?じゃあ藍猫?」

「もっといやや!」

「…そっか、…忍足は着てくれないか…うん、ごめんね?無理言っちゃったね?」

いきなりしおらしくなる撫子。目を伏せ、今でも泣きそうである。

「え…なんなん?」

「あ、そうだ仁王!見て!私見えないところまでこだわったんだよ!」

話を無理矢理逸らす。

「何をこだわったんじゃ?」

「フッフッフ、グレルは黒の手袋をしている…が絶対に赤いマニキュアを塗ってると思ったので塗ってみました!って言うか作者さんのブログでマニキュア塗ってるグレルの絵があったしねぇ!」

手袋を意気揚々と脱ぎ、仁王に赤くなった爪を見せびらかす。

「!?撫子それ…。」

「あっ!?」

しまった!と思い撫子は手を体の後ろに隠す。

「撫子なんなんその絆創膏だらけの指は…。」

撫子の腕を引っ張り手を前に持って来さす。

「あ…っと…グレルってこんな指してそうじゃん?アハハハ…。」

「笑えへんで、それ。」

「……マダムレッドの衣装を作っとったらそんなんなったんじゃろ。」

「な、仁王、おまバラすなよ!私がブキッチョって笑われるじゃん!」

「撫子…。」

撫子の顔を見るとメイクで隠してあるがうっすら隈が見える。

「俺、着るわ。撫子がせっかく俺のために作ってくれたんやもんな。」

忍足は柳が向かった更衣室へと進んでいった。見送る三人。





「……計画通り!次にお前は椿崎の方が俺よりペテン師じゃな、と言う!」

「椿崎の方が俺よりペテン師じゃな…ハっ!?」

「えーっとどれの事かな?この絆創膏の下には傷なんて無いこと?この隈もメイクだって事?マダムレッドの衣装はヤホーオークションで買ったこと?」

「全部ぜよ。」

「んふ、またまたやらせていただきましたァん!」

「…自分が売り子したくないからって、忍足を巻きこんだんに…。」

「だって売り子してたら自由に遊べないし売り子なら忍足でもいけるし、流石にBL本を男の二人組に売らすのも酷だと思ったから外見だけは女性を、と…。お客様にも十分配慮したんだぜ!」

「忍足は完璧な男顔じゃぞ?」

「何を言ってんのよ、アタシとセバスちゃんのテクを使えばマダムレッドもいちころよぉ!」

「…そうですね。ではマダムが帰ってきたら取りかかりましょうか。」

「我も見学させてもらっても良いかな?」

「マスター!?」
「参謀!?」

いつの間にか帰ってきていたラウ柳。

「い、いつの間に。」

「ついさっきだ。忍足はもう少しで来る…があんなに意気揚々と女装とは…。」

「…まぁ、気にしない。気にしない。」

「撫子ー、着替えてきたでぇ!」

スカートの裾を翻しながらの登場。歩き方自重しろ。

「早っ!?」

「どや!?」

「うん、まぁ、良いんじゃない?じゃメイク、パパっとしちゃうからそこ座って。」

メイクは限られた場所でしかやっちゃいけないので良い子はマネしないでください。

「じゃ行くわよセバスちゃん。」
「御意。」

そして、
整形したのね?おk把握。と言いたいぐらいの顔になった忍足。

「……ペテンさん…私、物凄くお姉様って呼びたい衝動に駆られてる…。」

「…不覚にも俺もじゃ。」

「なんやのん、鏡見せてや。」

手鏡を差し出す。

「…これが…俺?」

びっくりした表情の次はうっとりとした顔。

「ママママスター!ちょっとコスプレゾーンに言ってくるね。あ、私達コスバトに出るからよかったら見に来て!」

「うむ、了解した。落ち着いたら向かうとしよう。こちらは任せろ。」

「では!幾千にも幾万にもご機嫌よぅ!」

「じゃ参謀後でのー!」

「では私もアデュー。」

三人はコスプレゾーンへ。

「うっとり顔は卑怯だって…あんなの、恋する乙女みたいだったよ!なんて麗しいんだ!もっと見たかった…でもお姉様って言いたくない!呼んだら女子としてのプライドが…。」

「…俺も男としてのプライドが…の。」

「まぁまぁ、お二人とも、気持ちを切り替えてグレルとセバスチャンになって下さい。」

柳生が素の二人の姿をカメラに収める。

「んふふ、セバスちゃん。アタシとアバンチュール?」

「イエス マイ――――





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50000hit企画第二弾
岩田様リクエスト『ヲタクメンバーでイベントに行く』でした。
行くというよりも参加させてしましましたね…。忍足のマダムレッドはやりすぎました。けど後悔はしてません。


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