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求めている答えが返ってこなかったので復活。 「えっと…面白いショートコントでした、よ?」 いきなり目の前で一寸劇を行われた事に対しての言葉が、これ。 「あぁ、優しさが痛いです。大石君痛いです。」 「え、ゴメン!」 「謝んないで!私こそ暴走しかけてッ…。」 「思いっきり暴走してたニャー…。」 「撫子さん、撫子さん、海堂先輩のクラスの展示行きましょうよ!」 「うん、そうしようかね。では大石君、菊丸君……河村君またねー。」 若干名前忘れてた。危ない危ない。 「ですね、また会えたら。」 「俺、名前忘れかけられてた…。」 「ニャハハ!タカさんドンマイドンマイ!椿崎さん、またねー!」 「…ゴメン、河村君……。」 忘れかけていたこと、バレてました。撫子は物凄い罪悪感にかられながらもリョーマの満面の笑みに癒された。 それから海堂のクラスの前にやってきたのだが、…人が誰も居ないし、呼び込みもない。クラスの飾り付けも見あたらずカーテンを閉め切っており、ただの空き教室っぽかった。 「ねぇリョーマ…ここ本当になんかやってんの?」 「…のはずっす。パンフレットには動物の写真展って、後ぬいぐるみとか置物とか手作りを販売してるはずっす…。」 「やってはいるのか…ただ、物凄く入り辛いね。」 「っすね…静かに入ってみましょうか?」 「っすね…。」 撫子とリョーマはドアをゆっくりとスライドさせて中を覗き込む。 「「!?」」 二人の目に飛び込んできたのは猫とじゃれている海堂の姿。 「シュ、シュ、シュ、シュ、猫、おい猫、楽しいか?コラ…そうかそうか。」 とても楽しそうである。 「「……………………。」」 こんな海堂見たくなかったリョーマ。まさかのギャップ萌えの存在に出くわし、どう表現をすればいいのか分からない撫子。 「リョ、リョーマ…海堂君って……。」 「撫子さん、ここはなにも見なかったことにした方が…。」 「……ギャップ萌え、モグムシャァ…。」 ホアラー、ホアラー! 「おい、待て猫!」 海堂のもとから猫が逃げ出しこちらに向かって駆けてきた。 「え、カルピン!?」 駆けてきた猫はリョーマに飛びつくように突進してきたのだ。 そしてリョーマはその猫をカルピンと呼んだ。 「リョーマの猫だったの!?」 「はい…俺の飼い猫っす……。」 「面白い鳴き方するんだね。」 「越前ッに椿崎さん…!?フシュー―――…。」 逃げ出した猫に視点を合わせていた海堂が必然的にこちらを見つけた。そして照れ隠しなのか物凄く長いため息をついた。 「「あ…。」」 「か、海堂…君……ご、ごゆっくり…?」 静かにドアを締め直して撫子とリョーマは海堂のクラスを後にした。 「海堂君のクラス…海堂君による海堂君の為の海堂君の展示だったんだね…。」 利益を追求するより海堂が提案したんだろう。一人で番を担当、か…。誰にも見られたくなかっただろうに…。 「っすね…。」 「しかしまた初見で見破られた…自信無くすぞ……。」 「俺の布教の成果っすね!」 「リョーマ…ちょっとは自重してくれ!」 リョーマの布教活動の恐怖をしみじみと感じ、次のクラスへ。確か桃城も二年で何か模擬店的なものをやっているはずだが、 |
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