青春Destroy | ナノ


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氷帝の文化祭は終わってしまったのだが一つだけ深く関わっている。いや、誘われている文化祭があった。それは、青学の文化祭。残念ながら青学の文化祭は青学のOBかOGそして保護者のみの入場らしく完璧な部外者である撫子には入場資格が無かった。
しかし、入場出来るかもしれないと言う希望が出来た。むしろ入場するための裏技を考えついた。それは、

「誰かの父兄を装って行けばいいじゃないか!」

と言うわけでコス仲間、厳密に言うと違うのだが、青学生の朋香に協力を要請した。勿論二つ返事でおk。それから青学の知り合いに変装していくから、と伝えた。

そして当日。
茶髪のウィッグを被り目元には泣きボクロを付けたりして朋香の親族ですよ感をアピール。受付で前日に受け取っていたパンフレットを提示して、朋香の姉だと言うことを書面に残した。顔をチラっと見られたときはかなり焦ったが、不審がられる事もなく、入場許可証を手に入れた。

「入場許可証ゲットだぜ!ピッピカチュー!」

とりあえず入場出来たことを朋香に伝えるため朋香のクラスを目指す。

「とーもちゃーん、入場出来たよー!」

「あ!撫子さm…撫子お姉ちゃん!」

流石に姉妹なのに様付けはおかしいことだと判断した朋香は言い直したのだが、撫子にとっては後者の方は破壊力が高すぎて戦闘不能になりそうである。

「ぐうかわっ萌え……ッ!しかしトモちゃん、その呼び方は止めてくれ、萌えすぎて禿げるからッ!」

「え!?じゃあ…お姉ちゃんって呼ばせていただきます!」

「実に御馳走様です!ところでトモちゃんのクラスは何の出し物をしてんの?」

「はい!私たちのクラスは学校の歴史を表にしたりして纏めてあります。」

「へー、なんか真面目な展示だね。」

「そうなんですよ。ウチの学校文化祭で飲食店の出店禁止なんですよ!?しかも一年はクラス展示で、二年は模擬店で三年は弁論大会を体育館でやってるんです。やらされるもの決まってるなんて信じられますか!?こんなかたいのうちぐらいですよ!」

「残念だがトモちゃん…もっとお堅い学校ならいくらでもあるから…うん……。」

二年まで通ってた中学校では展示をするか劇をするか、しかも午前中は劇、午後は展示を見て回ると言ったガチガチに予定を固められた文化祭だったよ。展示もクラス単位で移動である。探せばもっとお堅い学校はあるだろう。

「え、そうなんですか?」

「うん、そうなんだ。じゃーとりあえずトモちゃんのクラスの展示を見せてもらうよ。」

教室に入ると模造紙に書かれている表が目に入る。とても中学生らしいではないか。

「あ!私ここ担当したんです、テニス部の歴史!」

「へー…よく調べてる。」

「だってリョーマ様の部活ですもん!」

「あー…リョーマ……。え!?青学って去年都大会止まりだったの!?あんな化け物が居て!?」

「フフッ化け物とは随分な言い方だね撫子さん。」

撫子が朋香と雑談していると、不二が後ろからぬっと現れた。

「周助君!?」

「おはよう、やっぱり小坂田さんの所にいたんだね。」

「あ、うんそうそう。トモちゃんの姉ですから!」

「あぁ、撫子様がお姉ちゃんッ!なんて夢みたいな出来事かしら!」

「私だってトモちゃん妹に欲しい!」

「じゃあ撫子さんが裕太と結婚したら僕が義兄だけど、どう?」

「…………。」

ぶっちゃけ死ぬ気でそれは回避させていただきたい。

「冗談だよ。ところで次はどこに行くんだい?」

「え、適当に回るよ。」

「そっか僕は弁論大会の代表に選ばれちゃってこれから待機だよ。」

「あちゃー…頑張れ!」

「適当にするつもりだよ。じゃ、撫子さん、文化祭楽しんでね。」

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