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「では、結果発表です!」 一人称が僕の美女って美味しくないですか? 「はっぴょーします!まずは今行った審査結果から!二位は、エントリーナンバー……19番滝萩之助です!一位は勿論椿崎撫子です!」 「ハァア!?」 わー、 ピューピュー、 会場内は二位が滝という結果に沸く。それから一位が撫子という結果に喜ぶ。しかし撫子は19番の美女が滝という事実に驚くばかり。だが今はオーバーリアクションはとれない。だってステージの上にいるから。 「え、マジで…滝?」 「うん、本当に僕だよ?撫子、一位の座はあげないから。」 「へ?」 「続いて一般投票の結果です!圧倒的票数を集めた方はこちら、三年のアンティークっぽい店にいた物腰柔らかい子…なので、滝君の事で票数は……!?な、なんと滝君の獲得票数が椿崎さんを上回りましたぁあ!異例です!男子が氷帝ミスコンの優勝者です!偉業を成し遂げた滝君に大きな拍手を!」 大きな拍手が体育館を包む。まさかの男子がミスに輝いていてもよろしいようだ。性別を容認しすぎだろう。ミスコンに参加していた女子達が袖に引っ込み舞台上は次にミスターコンテストの準備を始めている。 「や!撫子、お疲れ。惜しかったねー。準ミス。」 「滝が参加してるなんて予想外すぎるよ!なんで教えてくれなかったのさ!?」 「君のその顔が見たかったから。」 「わー!使いどころが良かったらスッゲェときめく話なのに全然ときめかねぇ!」 「フフ、その顔そそるね。」 「マジキチ!」 「そうだ、撫子って賞金目当てで参加したのに残念だね。」 「ハッ!?そうだった!コスの資金!」 「ま、次のコンテストで優勝すればいいでしょ。性別を超えて優勝出来るんだから自信を持ってね。」 「あ、なんか自信が付いた。よし…ライバルは跡部、ひねり潰す!」 ――――― ―― 今度こそ本命のミスターコンテストである。こちらだけ優勝しても10万円。立派な衣装を買ったってお釣りがくる。冬コミ資金としては全く足りないが。 「っつってなんでテメェ等が参加してんの!?」 「参加しとってもおかしくはないやろう?やって俺らイケメンなんやで?」 そう、開会したとき、横一列に列んだとき参加者が判明したのだが、その参加者がテニス部男子レギュラー陣三年のメンツだったようだ。 「いや知ってるよ!お前らがイケメン何てこと4月の時点で知ってるよ!跡部の第一印象なんてテライケメソだからな!?」 「アーン?椿崎、コイツ等に負けるのか?」 「あ゛?私が負ける?んなことあってたまるかボケェ!」 「ハン…だがな勝つのは――。」 いつものように跡部が腕を高く掲げ指を鳴らす。 「私だぁあああ!」 そしていつものように撫子が横から決め台詞をかっさらう。 「テメッ!」 「跡部君、第一次審査が始まりますので準備して下さい。」 司会がコンテストを円滑に進めるために跡部に引っ込むよう要求。司会GJ。 一次審査はダサい服をどれだけ格好良く着こなすことが出来るか。服はコンテスト側が用意しており、控え室にある。そして好きな小道具を使用し、お洒落にする。 撫子はイモジャー。 跡部はパジャマ。 忍足はAボーイファッション。 ジローは幼稚園生のような服。 宍戸は道路工事の作業着のような服。 岳人は全身タイツ的な何か。 滝は……禁則事項です。 を、それぞれ着こなす。着てステージ上にみんなが出て行くと微妙な空気になった。爆笑してやろうと思っていたのに、想像以上にガチだったのだ。 |
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