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散々他校の文化祭をエンジョイしていた撫子だったが、ついに氷帝の文化祭が開催された。 氷帝の文化祭は2日間。一日目が模擬店が盛んで、二日目がステージが見所である。跡部の開会宣言とともに文化祭が開始。 「さぁ!三年H組!打倒全校、打倒跡部!」 「「「「ヤー!」」」」 「跡部は名指しなんか…。」 「え?何となく。」 「ところで撫子は今回忙しすぎるやろ。」 「私の本来の出番はこのクラスのコスプレ喫茶の準備とテニス部の劇の出番だけのはずだったんだけどな…。誰かが私の名前をミスコンミスターコンにエントリーしやがって…なんだよミスコン、ミスターコンって……そんな柄じゃねーよ。」 「やったら欠場すればええやん。」 「だって跡部が『逃げるのか?』って!」 「…安い挑発にノったんやな。」 「あぁノるさ、ノるしノらされてるよ!よりも…優勝したときの賞金に惚れた。」 「…確か10万円やっけ?」 「だよ!しかも両方で優勝したら20万円だよ!そんなにあったら冬コミがう腐腐腐だYO!」 「…頑張れ、で出番は?」 「午後いっぱいいっぱい。まずはミスコンからー。だからクラスには午前しかいないんだよね。でも客引きの方が重要だから忍足、クラスは君に任せた。」 「…はいな。」 「お姉様!私たちも頑張ります!」 「ありがとな子猫ちゃん達!」 撫子が笑顔同封。女子達も再び気合いを入れ直す。 「で、そうやって媚びうるためにサンドリヨンのKAITOか。」 「違う違う、ただ着たかっただけ。」 「そうやな、自分日吉に釣られたんやもんな。」 「……いやー…流石に浅はかだったよ。あの時の自分を責めてやりたい…。」 「いや、今の自分でも2つ返事で頷くやろ。」 「まぁな。」 「お姉様!その衣装が明日のテニス部の演劇で着る衣装ですの!?」 「明日の劇で使う衣装だよ。CMだぜ!それにクオリティー高いからね。今日は絶対着てやろうと思ったのさ!」 「似合ってますわ!」 「ありがとう!子猫ちゃん達もすげぇ可愛いぜ!おい忍足、子猫ちゃんとの写真撮って。」 リアル両手に花。撫子はわざとらしくキリリとした顔つきになり決め顔を作った。 「…抜かりないな。」 「あるわけないじゃん。」 と、写真をしこたま撮った後撫子は満足して看板を肩に担いだ。 「さて、私は行ってきますよぃ!」 「おー、行ってき。じゃ、俺も…店員を始めよう。」 忍足が男らしく見えた。まぁ、それもそうか、なんせ外見は零崎一賊の長兄、零崎双識でスーツでオールバックなのだから。そのキャラにした理由は地毛で出来るから、と。 自殺志願だけは気合いを入れて作ったらしい。が、ドパンピ学校でそれをやっても「なんでスーツに大鋏?」状態になるだけなのにね。撫子はもちろん知ってるからなんて俺得状態になりますけどね。 「双識さんっ…!忍足だって分かってるのにときめいちゃう、だって好きジャンルなんだもん!」 「ハハハ、手抜き言わんのやな。」 「自殺志願を頑張って造形したようだから許す。って言うか私、前々から言ってくれれば自殺志願持ってたし貸してあげたし、それに私哀川さん持っているからあわせできたのにね。」 「なんやて!?」 「それはどっちに対してのなんやて、なんだ?ま、いいか。さて、みんなに復唱要求!お客様は神様!だけど粗相をしてきた輩にはオヤコロー!」 「「「お客様は神様!だけど粗相をしてきた輩にはオヤコロー!」」」 「…物騒やな。」 「物騒違う。自己防衛。いやー、あるのよね。小説とか読んでたら可愛い店員に絡んでくるDQNとか出てくるのよねー。それに鳳と掛け合って何かあったら弁護してもらえることになってるから。」 「用意周到すぎて全俺が泣いた。」 「それ四天宝寺で私が言った。」 |
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