青春Destroy | ナノ


260


11月に入って氷帝の文化祭まで秒読み。撫子もクラスの準備と部活の出し物の準備に追われる。家に帰っても衣装準備とか脚本とか、色々頑張っている。
その時、一つ気付いたことがある。

「そう言えば四天宝寺の文化祭って何時なんだろう?」

思い立ったので財前に電話して聞いてみようと思う。

『撫子さん!なんですか!?いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、財前光、です!』

「はーい、あのですね。そちらの文化祭は何時かな?と思いまして…。」

『あ……今年の文化祭は中止になったんすわ!クリスマスと同様に!だから来んといて下さい!』

あからさまな嘘を付かれて電話を切られた。

「……なんでやねん。」

なんかムカついたので絶対に行ってやる。今、そう誓ったので白石に謙也に一氏に小春。合宿で得たアドレスに問い合わせてみたが、結果は財前と同じ。

「なんでやねん!酷い!」

とケータイを投げ捨てたくなった。その時に千歳から電話がかかってきた。

「あ、千歳君だ。あぁ、そう言えば橘君の家で再会したとき交換したな。」

グループ分けするの忘れてた。

『椿崎か?』

「おぉ、椿崎だよ。なにさ?」

『四天宝寺の文化祭が今週末にあると、だけん来てほしいとね。』

「え、今週末なの!?光君とか中止ってほざきやがったよ!?」

『あー…それは仕方ないばい、二重の意味で…。』

「二重?」

『こっちの話したい。じゃ今週末にな。駅に来とったら俺が四天宝寺まで案内するとね。』

「お、マジで?あざーす!」

早速今週末の予定が付いた。しかし、気に食わないな。嘘を付かれるなんてな。何か裏があるようだけど…。

「ま、行ってみたら分かるでしょ。」

と言うわけで今週末、大阪にやってきた。まだ午前7時過ぎ。物凄く、眠いです。しかし、文化祭と言うシュチュに対してネタが転がっていると思ったら脳内麻薬過剰分泌である。そして駅にて千歳を探す。

「あ、居た。」

身長が規格外にデカいので速攻で見つけることが出来た。

「おぉ、椿崎。久しぶりばい。」

「おう!直接会うのは一ヶ月ちょっと振り?」

「おん、じゃ早速行くたい。」

千歳が少々急ぎ気味で四天宝寺中学へと向かう。その途中で撫子は千歳達はどんな出し物をするのか聞いた。

「四天宝寺ってテニス部で何か出し物とかするの?」

「するばい。テニス部は女装喫茶をすると!」

「なん…だと!?」

「去年もそれだったらしいばい。人気なもんだからリターンズする!って言っとったと。」

「え、え?だったら蔵さんも光君も謙也君も一氏君も小春君も千歳君も女装するの!?」

「みんなするばい。あ、着いたと。」

そんな話をしているといつの間にか到着。千歳を先頭に校舎の中に入っていく。四天宝寺の制服を着てないから撫子は目立ってしまうのではないかと懸念していたが、逆に校舎内で制服を着てる生徒が居なかった。みんな仮装やらなんやらしていて実にカオスだ。

<< TOP >> 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -