青春Destroy | ナノ


242


「――と言うわけで11月にある文化祭のことはこれで決定と言う事で良いですか?これで良いようでしたら挙手をお願いします。」

クラス委員長を中心とした会議の終盤。最後の多数決が行われていた。議題は文化祭のことについてであった。そしてパラパラと上げられる生徒達の手。半数以上の生徒が挙手をしており、今回話し合った事はすべて可決されたようだ。

「では可決と言う事で生徒会の方へ提出します。これでHRは解散とします。ありがとうございました。」

HR解散。その後、撫子は部活もないし学校でする事もないので家路に付いた。

10月上旬の今日。
文化祭のことについて各クラスで話し合いが行われた。規模は他の学校と比べられないほどの物だそうだ。毎年のことらしいが今年上京してきた撫子にとってはすべてが初体験な大規模なもの。海原祭ごとき目ではないそうだ。
そんな事言われたらテンション上がるしかないでしょ。

とかなりのハイテンションで隣の席の忍足に話しかけるととてもげっそりした様子で「せやな…。」と答えた。一体何があるというのだ。撫子も覚悟しておいた方がいいと言われたが、全く何のことか皆目見当が付かないので四日後には忘れているだろう。
何故四日後かって?それはツインズABと教会的な学校で撮影会があるからだ。
今はその事で頭が一杯。実はHRの話も半分は聞き流していたことは内緒だ。ルンルン気分で今なら1cm浮いて地面を歩けそう。

「もーいーくつ、寝るとー撮影かーい?撮影会では不二君がカメラを構えて激写するー。はーやーくぅ、来い来い撮影会ー。ペテンさんも居るよ!」

待ち遠し過ぎて低クォリティーな替え歌まで作ってしまった。撮影会の日が来い。


―――――
―――

「と言うわけでやってきましたよ。撮影会in教会っぽい学校!」

只今その学校の最寄りの駅だと言うところの改札口の近くにいます。ここで不二と合流してその学校まで連れて行ってもらうので、不二を待っている。

「椿崎、おまん…俺がいつでも暇じゃ思うとったら間違いぜよ。」

「とか言いながら実は暇なんだろ?部活終わって何すればいいか分からんくちだろ?ツンデレか?ツンデレなのか?」

「…プリ。」

「やぁ、撫子さん。後…ペテンさん、って呼んだ方が良いのかな?お待たせ。」

仁王を暇だからとイジっていると不二が到着。

「おはよう!今日も撮影会日よりでオールOK!早速教会っぽい学校に行きませう!」

「そうだね、じゃあ行こうか。」

不二の案内で教会っぽい学校の男子寮にまず着いた不二一行。

「…ん?これ寮だよね?」

「うん、ツインズAさん、Bさん二人ともここに居ると思うから。」

そう言いながら男子寮の玄関に向かう不二。寮母と二、三話して寮の中に入る許可が出たそうだ。不二について行く二人。

「あ、撫子さん。おはよう。」

「おぉ!Aさんおはようございます!」

広間の様なところに通されて、そこにいたのはツインズA。

「今日は俺の弟を紹介するよ。所謂ツインズBだね。」

「早速呼んでくれるの!?」

「うん、時間が勿体ないからね。淳おいでー撫子さん達一行が来たよ。」

奥の方に向かって叫ぶ。そして奥から額に赤い鉢巻きを巻いた少年が出て来た。

「やぁ、撫子さん。僕がツインズBだよ。」

「って木更津淳、君!?」

「あれ?知り合いだった?」

「いや…初対面のはずなんだけど…?」

木更津兄弟の頭にはクエスチョンマークが回っている。

「や、あのテニスの都大会の時に…私が一方的に知ってるだけ。つーかなんで私は気づかなかったんだ…めっちゃそっくりやん……。」

「あぁ、そうか撫子さんは聖ルドルフとやりあってたんだね。裕太が随分と世話になったね。」

不二が思い出したかのように黒いオーラを放ってくる。今更過ぎますって!

「私のせい違う!ジローのせいだから!……あ゛!?」

「…どうしたんじゃ?」

「え、あ…や……ここ聖ルドルフって事は石田公…じゃなくて観月君、が居るって事だよね?」

思い出される観月のポエム。それを色っぽい声で囁かれると言う行為!実に恐怖!破壊力が高すぎる!二度と会うことはないだろうって油断してた。まさか教会っぽい学校が聖ルドルフ学院のことだったなんて!

「それがどうか……あぁ、そう言えば裕太がいってたや。撫子さん安心して、今居ないから。」

「…ホント?」

「ホント、ホント。それに流石に撮影会を邪魔するほど観月は非常識じゃないよ。」

「ならいいや。早く撮影会始めちゃいましょう!さ、着替えた着替えた。」

<< TOP >> 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -