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「いやー、千歳君わざわざありがとね!」 「礼には及ばんと。桔平にも言われたことだけんね。」 「千歳君、橘君のこと好きだねー。何?likeでなくlove?ん?ん?私に言ってみな?」 「likeばい。流石に桔平とloveはなかよ。」 「なーんだ。フラグ無しか…。妄想のネタになるからいいか…じゃ、千歳君。私の家、もうそこだから帰ってもいいよ?」 「んー…まだ椿崎から礼ば、貰ってなか。」 「礼?……んー…じゃぁ、ちょっと待っててトトロのぬいぐるみを贈呈…。」 「いや、それはいらん。」 「え?意外……じゃなにさ?送り狼でもするか?グヘヘ。いやー、最高のシュチュエーションだよね。特にさ、成人パロで飲み屋で飲み明かして介抱するけど、赤らめた顔に左が欲情なんかしちゃったりしてアッー展開になったらそれはそれでかなりの王道!」 撫子が茶化すように笑っていった。 「んー…じゃぁ、それにするばいッ!」 撫子の隣を歩いていた千歳はそう言って撫子の手首を掴み上げ、後ろに回り込んだ。そして撫子を道沿いにあった壁に押し付けた。 「イデェ!?」 「合宿の時から思っとったと、椿崎の行動は危なっかしいばい。男を狼として見とらんと?どぎゃんに羊の皮を被っとるような男でも中身はれっきとした狼たい。」 「ッ…言われなくても分かってるさ…あ、これって壁ドン?壁ドン?向かい合ってないけど、これ壁ドン?ィっつッ!?」 千歳は更に締め上げる。 「いいや、分かっとらんね。椿崎の身長が大きいから男を男として見れとらん。ばってん…俺の身長からすると椿崎も十分小さか。小さすぎてひねり潰せそうばい。男の俺から逃げれると?」 顔を撫子の首筋に近づけて耳元で囁くように語りかける。なんともアダルティな香り。 「う、ぐ…っ……目を覚ませ、銃を捨てよ。ナイフを持て、接近戦はCGCィイイイイ!!」 「う、おッ!?」 撫子は思いっきり千歳の足を踏みつけ千歳の拘束が緩んだ瞬間腕を振り解いた。そしておまけと言わんばかりに渾身の回し蹴りを鳩尾辺りに食らわした。 「元ヤンがなんぼのもんじゃ!くそったれ!なめてもらっちゃ困る言うとろうが!ちゃんと理解しとるし、それに準ずる力だって持っとるつっとるんじゃ!ボケが!じゃねかったら夜んなって誰が外なんて出歩くかダァホ!男は狼?ハッ、んなもん二次創作しとる身なんじゃけjkjk。」 ブチギレ撫子。ファンには見せられないよ! 「……胃の中身出るかと思ったばい。」 撫子のブチギレに度肝を抜かれて元の雰囲気の千歳に戻った。尻餅をついた状態で、さすさすと蹴られたお腹をさすりながら呆然とした表情でブチギレている撫子を見上げていた。 「…あ!ゴメン、やりすぎた!」 撫子は正気に戻って流石にまずいと自覚したのか、速攻で謝る。 「や、俺が悪かった。すまんかったと。」 「こっちもマジさーせんした。慰謝料の請求だけは勘弁な。」 「分かっとるばい。」 「…ホントごめんねぇ、千歳君が私のためにあんなことしてきたって分かってんだけど……ねぇ。」 いきなりあんな事されたら誰でも牙をむくって。 「いや、分かっとるならよかよ。桔平ん家戻るたい。」 「おお!橘君にはリークしとくから!」 ちょっとした意志返し。 「いや、マジでやめて下さいお願いします。」 思わず標準語の千歳。 「うわ、標準語…千歳君の標準語ってレアじゃね?まぁ、冗談ですよ。冗談。じゃまたね。私四天宝寺の文化祭には遊びに行くからその時にでも。」 「了解ばい。またな。」 こうして一悶着が一瞬あったがフラグクラッシャーの撫子。誰かに助けてもらうエンドもクラッシュさせた。 |
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