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「ハーイ!皆さん全国大会お疲れ様でした!優勝おめでとう青学諸君。準優勝おめでとう立海諸君。ベスト4おめでとう四天宝寺諸君。そしてベスト8おめでとう氷帝!こんなオールスターな人物達が挙って参加の合宿という名の思い出作り開始じゃぁあ!レッツパーリー!!」 「「「ヤァアアア!!」」」 今回、皆が泊まるホテルは跡部財閥の力を全力で注いだ設備が最高に揃っているところである。なんでも揃って、撫子が欲するものは、と言うよりたいていの人物が欲するものは揃ってしまうというとてつもないホテルなのだ。 「ねぇねぇ跡部。これ本当にホテルの中?なんでサイトで見るより豪華に見えるの?普通逆じゃね?見栄張ってフォトショとか駆使してよく見せようとしない?」 「アーン?俺様のホテルがそんなちんけなことをするわけねぇだろ。文句あるならそのへんのホテルへ行ってろ。」 「ややや、文句などありませぬ。ありませぬぞ。跡部サマ。」 「フン、当たり前だろ。俺様に欠点などあるはずないからな。それにお前らが騒いでも大丈夫なようにだだっ広い和室を用意してやったんだ。感謝しろ。」 彼らが泊まるところは全ての学校が同じ空間で泊まれるような物凄く広い和室。 「ひゃー…流石、跡部。讃えても讃えきれねぇぜ。」 「もちろん枕投げっつーのもやってもいいぜ?」 「跡部様さっすがぁ!!そんな貴方に痺れる、憧れるぅ!」 撫子と跡部が打ち合わせという名の雑談をしている中、他のメンバーはそのものすごく広い和室に荷物を置き始めるメンバー。 同じくして撫子も置こうと荷物の山となっている箇所へと歩み寄った。しかしその行動を阻止しようと跡部が声をかけた。 「オイ待て、椿崎。お前の部屋はあっちだ。」 あっちだ、と言って撫子に別の部屋の鍵を押し付ける跡部。 「え、そんな…差別だ!」 「差別だぁ?ふざけんな。お前一応女だろ。男と同じ部屋で寝ていいわけねぇだろ。」 「いい時だけ女扱いすんなし!あ、そうだ。」 「アン?」 何かを思いついたようで撫子は、胸元を押さえて目を伏せ、憂いるような表情を浮かべて跡部に向かった。」 「ン、ン゛跡部…実は俺、男なんだ…今まで黙ってて、ごめん…でもッ!」 「キモイ。やめろ。蒼の貴公子の声を出すな。何足掻いてんだ。」 「だったら桃の…。」 「女の声をしてみろ。そのときこそ必ず国外追放してやるよ。」 「うわ、ふざけすぎた。跡部のその発言は実現しそうでマジ怖いわ。」 「本気だからな。」 「チェー…ここは大人しく従っておきますよーだ。この我が儘プー。」 「我が儘はどっちだ。我が儘女。」 「なぁ、提案なんやけど。寝る前までここで遊んでから寝るときだけそっちで寝ればええんとちゃう?」 跡部と撫子が雑談が言い争いにシフトしてヒートアップしてきた際、白石が案を出してきた。 「ッ蔵さんGJ!ナイスアドバイス!素敵ッ!」 「俺かて、撫子さんとは話したいこと山ほどあるしな。」 「ですよねー!」 「ついでに今日は主に何をするのか決めておけば良いんじゃないかな?目的もなく一日目を終えるつもり?」 「ゆk精市君…。」 ぞろぞろと各校の部長が集まってきた。 「椿崎が企画したんだ。俺様は口出さねぇ。」 「んー…じゃあ、午前中はこのホテルを探検しようかな?こんないいホテル滅多に泊まれるわけじゃないし。むしろ写真を撮りまくっておきたいし。んで午後はー…。」 「テニスをしたらどうだ?」 「あー…そうだね。一応合宿って名目だし。」 「じゃあ俺、椿崎さんとする約束してたからその時しようかな?」 いい案だ。と言いたげな幸村。しかしその提案は撫子にとってはただの地獄への更新でしかない。ただの死刑宣告だ。リョーマとの試合であんなド鬼畜な様子を見てしまったのだ。余計に幸村との試合に対しては拒否反応を示したいものである。 「……ソウデスネ、是非午後カラシマショウ…。と言うかよく覚えてたなオイ。」 「忘れるわけないじゃないか。だって俺だよ?」 「…おっしゃる通りで。」 「だったら決まりだ。午前中はこのホテルを見て回ればいい。12時過ぎたらここに集まれ、昼食だ。その後にテニスコートまで移動だな。」 「そうだね。テニスが終わったら先に風呂に入って、晩飯食おうか!」 「いいだろう、ちなみに風呂は…と言うかこのホテルは滞在中俺様達の貸切だ。」 「MA JI DE!!?…流石跡部…。それによる損害ってどんだけになんの?」 「ハン、俺様にとっては容易いことだ。」 「おおう…思い出プライスレス?」 話がまとまり、各校の部長が各校に伝達。 その後それぞれが動き出す。だいたいがグループを作っての移動。個人ではあまり動いてないようだ。当たり前だ。こんな始めてきた広すぎるホテルにひとりで立ち向かう勇者なんて居ないだろう。 |
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