167 |
「跡部、合宿がしたい。」 「は?」 いきなり撫子が話をきりだした。只今全国大会一週間前。 「思い出がほすぃ。よく考えてみなよ!今全国大会に向けて毎日朝から晩まで練習練習!命懸けてるよ!私もイベントに毎週行くという儚い夢を蹴ってまでサポートしまくってるよ!だからさ思い出作りに合宿を……。」 「却下だ。全国まで日にちが無ぇんだ。そんな合宿する余裕なんて無ぇ。」 願いを却下する。 「うわー!鬼畜だ!中学校最後の夏休みがアデューした!あ、だったらさ全国大会が終わって次の日から合宿と言う名の泊まりがけの旅行的なものしないかい?テニスをしたりさ、色々…みんなでパーッとね。しようよ。ね、ね?」 「……なんでいきなりそんな事を言い出したんだ?」 「…だって……跡部との思い出が…部活だけの関わりって、悲しいじゃん……。」 顔を赤く染め、跡部と合わせていた視線を逸らす。 「………分かった。企画すれば良いんだろ?全国大会の後に。」 「!?跡部、ありがとう!」 ヨッシャアァアアアアア!太陽と北風作戦(別名:ツンデレ作戦)大成功だじぇ。しっかしこうも上手く行くとは思わなかったぜ!さっすが俺様、いつも跡部にツンツンしててよかった。あ、そうだ。 「ね、跡部…だったらさ他の学校の人も呼ぼう?人数居た方が楽しいし!」 「アーン?好きにしろ。」 「ッキャー!跡部様最ッ高!もう愛してる!じゃ私いろんな学校に声かけてみるね!」 撫子は他校の生徒に連絡を入れるためケータイを置いている所にBダッシュ。 『ハロハロ、椿崎です。一斉送信失礼します。この度の用件は、跡部が合同合宿を開いても良いと言いました!それで参加校を募ってます!期間は全国大会が終わってから、何泊になるかはまだ未定です。合宿内容はテニスをしても遊んでもOK!!ほぼ自由です!!参加して思い出作りません?返事待ってます。』 で、立海は幸村君でしょ?青学は…手塚君のアド知らないや…周助君に送っておこう。四天宝寺は蔵さんに送って…っと。 「ブラックメール送信!」 「お?」 送った瞬間にメールが1件届いた。エラーとかだろうか?誰だろう。 開いてみると幸村からだった。早すぎる返事で少し背筋が凍った。 『参加するするー。レギュラー強制参加にして、拒否権は認めないから全員参加は決定事項だよ。楽しそうだよねそれ。テニス出来るってことは椿崎さんとも出来るって事だよね?楽しみにしとくよ。詳しいメール待ってるよ。』 「わー…嬉しい反面墓穴掘った。」 そしてまた着信。 差出人を見ると不二からだった。 『楽しそうだから参加するよ。多分全員。みんな思い出が無いからね。今、部活中なんだけどさ…越前に試しに参加するかい?って聞いたら越前がキャラ崩壊起こしながら行くって答えたよ。録画してメールに添付したから良かったら見てみてよ。』 「へー…。」 言われた通り添付されているファイルを開く。 「!?」 そこには両足でピョコピョコ飛び跳ねて、まるで小動物のようだ。 「くっそ可愛!」 すぐに自分のパソコンに転送した。いくつもコピーをとっておくためだ。 うん、これは国宝級だ。これを間違って消した日には私は爆発する。 そしてまた着信。 もちろん白石から、 『マジか!?参加するでー!もちろんみんなや!』 …わーい、パーフェクトだ!参加人数ハンパなく多くなったけど、跡部ならどうにかしてくれるさ。とりあえず参加校は立海、四天宝寺、青学と言うことをそれぞれにメールで報告。 そして跡部にどの学校が参加するか報告に行った。むちゃぶりな人数だったから却下されるかと思ったが、その無理難題に対し跡部は燃え始めた。キングと言う民を治める立場で、大勢の人数を束ねることに血が騒いだのではないか、と妄想。 |
<< TOP >> |