青春Destroy | ナノ


142


撫子が忍足の片手を掴み手錠をかけるパントマイムを開始した。

「えー…こちら椿崎。只今、4時13分三次元と二次元をごちゃ混ぜにし過ぎの罪で指名手配されている忍足侑士容疑者を氷帝テニス部部室で身柄を確保。至急部署まで護送しようと思う。」

「うむ、ご苦労だったぞ。椿崎巡査員は任務に戻ってもEぞ、後はこちらに任せまえ!」

「ラジャー!」

撫子は忍足の身柄をジローに渡した。

「え…ちょ待ち。」

ソファーから床にに座らされた忍足。

「無駄口をたたいちゃダメだC。ほら、自分の罪を言ってみて?」

「へ、は?意味分からん。」

「ダメダメ白をきっちゃー、ほら吐きなよ。カツ丼食べる?」

「………。」

「そこまでして吐きたくないのー?それとも物理的に吐く?」

忍足の腹を握り拳でグリグリと押さえつける。

「撫子ー、助けてや。」

「んー…ちょっと待ってー。」

予想外だ。ジローって腹黒要素もあったのか…。いきなりのむちゃぶりにもここまで難なくこなしてくれて、…うんジローには腹黒要素絶対あるね。間違いない。今まで眠そうなジローマジ天使や、元気溌剌なジローマジ眩しいを見てきたけど…この腹黒ジローマジ小悪魔も追加だな。つー事はだ。ブン太君の事が好きで私的にはブン太×ジローだったが…この腹黒要素によって左になる確率も上がった…が……うーん…決めかねる。もう一度ジローとブン太君の絡みをこの目に拝んで決めよう。

「よし、決まりだ。ジロー、もう良いよありがとう。私のむちゃぶりなアドリブに乗ってくれて。」

「俺も楽しかったからお礼なんてEよ!」

先ほど撫子が声をかけるまで忍足をオラオラと威嚇していたようで、あとちょっかいをかけていたようで心なしか忍足が疲れている。
あ、岳人も一緒にやってたのか…チビーズに囲まれるなんて羨ましいなチクショー。

「なん、で…俺がこんな目に遭わんといけんのや…。」

「乙、乙ー。やーだってさアンタ二次元と三次元を一緒にしてるのは大罪だゾォ!」

「やって…三次元の事情なんて…知らんもん。」

「いや、知ってたら怖いわ。…なんなら教えて差し上げましょうか?まぁ、もちろん幻想をぶち壊すことになるけれどね。」

「遠慮しとく夢は見ておきたいんや…。」

「人の夢と書いて儚いと読むよね。」

「撫子、跡部にもちゃんとお礼言っておくんだよ?」

忍足と話をしていたら滝が正論をぶちかましてくれた。確かにお礼を言うべきではある。むしろ言ったけどその時跡部が恥ずかしさのあまり退室したのだった。そんなに恥ずかしがらなくてもいいだろうに。

「滝は私のかーちゃんか。」

「んー…こんな子供はちょっと遠慮しておきたいな。」

「オイ失礼な…まぁ、うん…ユニフォームゲットだぜ!ピッピカチュー!」

そんな撫子がユニフォームをついにゲットし視覚からも撫子が仲間だと言うことを知れるようになった。

後から聞いた話だが、地区大会に参加できなかった理由はまだユニフォームが届いていなかったからだそうだ。マネージャーとしてサポートするなら芋ジャーは止めてほしく、きちんと形も氷帝テニス部マネージャーだという物にしてほしかったからだそうだ。だったら制服でサポートすれば見に行けたんじゃね?と言う疑問には誰も答えてはくれなかった。


そして都大会。念願の公式CP…じゃなかった。公式試合。練習試合では体感できない独特の空気が辺り一面を覆っていた。撫子は色々とテンション高めで参加。勿論氷帝ジャージを着ながらの参加である。嬉しそうな表情が垣間見える。
順調に勝っていき準決勝。どうやら青学とはブロックが反対なため決勝まで上がらなければ当たらないらしい。

<< TOP >> 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -