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ウズウズウズ………。 撫子の中のうずうずとした感情が撫子に行動したいと言う欲求を与える。そんな様子を察したのか白石が聞いてきた。 「どしたんや?」 「…く蔵さん…金ちゃんの足突っついてもいいかな?」 赤也の反応を見ていると自分もやってみたくなったようだ。ドSの血が騒ぐぜ。 「ええで。」 「!?ワイはいやや痛いのいやや!!堪忍してぇなぁあ!」 金太郎が逃げ出そうと立ち上がるがそれが金太郎には悪影響になってしまった。痺れて、倒れて、足をさらに晒してしまう状態に。 撫子はそーっ…と近づき、人差し指でツンと金太郎の足をつついた。 「ぅぎゃああぁぁあ!!」 金太郎が涙目に、もう少しで涙が溢れ出そうだ。いいわ、その表情。 「っ!!」 ツンツンツンツツー―。 つついて、なぞって、滑らして、撫子はこれでもかと言うほど金太郎の反応を見て楽しんだ。 「うわぁあああ!!姉ちゃん止め、やめてぇな!」 「ウヘヘヘヘ…。」 「おっきい姉ちゃんっ、…撫子姉ちゃん止めて!!」 「撫子…姉ちゃん、だと!?」 「ぅえー…ック、止めてやぁ…。」 「あああああゴメン!!調子に乗った!」 本域の金太郎の訴えで現実世界に引き戻された撫子。自分がどれだけ残酷なことをしてしまったのかを自覚して、土下座する勢いで金太郎に謝罪した。 それから金太郎の頭を撫でてみた。 「ホンマ止めてや。ワイ正座に慣れとらんのやぁ…。」 「ホンットごめんなさい!!金ちゃん好きだから泣かないで!」 「…ワイも意地悪せぇへん撫子姉ちゃんやったら好きやで!」 好きやで好きやで好きやで好きやで好きやで好きやで…。 「少年ラブ!!」 「椿崎さん気が済んだかな?」 自称天使の微笑みを浮かべながら幸村が問う。 「あ、うん、はい。気が済みました。」 「じゃあ解散でいいかな?今日はいい経験が出来たよ。楽しかったしね。」 「せやな。こっちも新しい発見が出来たわ色んな意味で。」 「次会うときは全国大会かな?」 「そうなると…ええなー。関西大会で優勝せななー。」 「では、バスまで送ろう。」 メンバー全員が四天宝寺が乗り込むバスにまで移動する。 一人、一人とバスに乗り込む。 そこで撫子がある重大な真実を言っていないことに気づく。 「あー!?えっ…と一氏君!」 「…なんや?」 バスに乗り込もうとしていた体勢から顔を後ろに向けた。少々不機嫌そうに返答。 「笑顔動画で活躍中のうじうじさんですよね!」 「…それがなんや?」 「私、ファンです!囲いです!会えて嬉しかったです!」 らんらんと目を輝かせて言う。 「ふーん。」 プイッと前を向いて再びバスに乗り込もうとする。 「ちょっとユウ君。ファンって言っとるんやからお礼の一つ位、……あらッ!?ユウ君顔赤いわよ?」 「チョ小春黙っといてや!」 「そっかユウ君面と向かってファンですなんて言われたこと無かったものねぇ。」 あらあらとニヤニヤと一氏を見ている小春。ナイスドS。 一氏は再び撫子の方に振り向いた。 「…おい!」 「なッなんでしょう!?」 「……ッおおきに。」 お礼を言い捨てバスの中に駆け込んだ。 一瞬何を言われたのか分からなかったけど理解した時には四天宝寺のバスは去っていた。 「ツンデレktkr!!!!!!」 一方バスの中。 「先輩、撫子さんにあんな態度ってどういうことっすか。」 「うっさいわ!ボケェ!」 「撫子さんはうじうじよりも動画の再生回数の合計が多いあの撫子さんっすよ?無礼にもほどがあるっすわ。」 「なんやと!?あの女、撫子さんやったんか!?」 「先輩アホっすわ。俺の嫁にそんな態度とってええと思わんとってください。」 「なんや光撫子さんは俺の嫁や。渡さへんで、」 「部長なんすか、俺の嫁だって言ってるやないか。」 「先輩への口のきき方気を付けや。」 「白石に光、嫁って……手順ちゃんと踏めっちゅー話や!!」 「「謙也(さん)は喋らんといて(下さい)。嫁は嫁や、手順なんて要らへんわ。」」 「え、なにこの子ら怖い。」 |
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