青春Destroy | ナノ


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次の日、テスト開始。
いつもより早めに学校に来て最後の追い込みを図ろうとした。
が、撫子の机の周りには撫子親衛隊(仮)の可愛い子トップ5が居た。

撫子が教室に入ってきたことを確認すると撫子に駆け寄る。

「……どうしたのかな?君達…。」

「お姉様…どうか無理しないで下さい!」

「お、おぉ…もう無理なんてしないよ。昨日部員にも言われたし、君達からも今言われたし…。次のテストからは追い込みはしないよ。約束する。心配かけてゴメンね?」

「いえ!!謝らないで下さい。勝手に心配していたのは私達の方ですから。」

少し照れくさそうに言う。

「!?…可愛いなぁ。」

ふわりと柔らかく笑う。
最近はしかめっ面の顔しか拝んでいなかったため、親衛隊(仮)は卒倒寸前。

「おね、お姉様。テスト頑張って下さい!」

「もちろん!君達も頑張ってね。」

「「「はいっ!」」」

自分のクラスへと帰って行った。

「あー…マジ可愛い。」

「お、撫子おはようさん。」

忍足が登校してきた。

「おぉ、忍足今日もメガネだね。」

「なんや、めっちゃ普通やん。昨日勉強したんか?」

「したに決まってんじゃん。貫徹しなかっただけだよ。」

「……さよか。」

「だから忍足…お前は本気出さなくて良いからな、むしろ本気出すな。」

「なんでや!!」

「いやー、やっぱ5位以内に入れるか不安じゃん?だから一つでも不安要素は減らしといた方が的確じゃね?」

「せやなぁ…って俺かて頑張るわ!」

「チッ。」

「…そういや撫子、まだやりたいこともやってないって昨日言うったけど何なん?」

「もちろん、文化祭でしょ?体育祭でしょ?そこで貴様等にコスをしてもらうのだよ。お祭りごとだったら跡部だって簡単に着させる事が出来るじゃん?
まだ君らのイケメンコスプレを拝めてないのにこっから去る訳にはいかねーよ。」

ドヤァっとした顔で忍足に同意を求める。

「実にそーですね…。」





テスト期間が終わり、あっという間に結果発表。
放課後、撫子と忍足は順位が張り出された掲示板へと足を進めた。

「…忍足さん。この学校って上位の人の点数って張り出されるんですね。」

「せや、私立やし…その辺は公立とちゃうねん。」

「いや、でもこのご時世。あってはならないものだと思うよ?点数まで……。」

「せやなぁ…けど撫子さん。俺も一つ言って良いか?」

「どうぞ?」

「なんで撫子が二位やねん!!英語が苦手やなかったんか!?」

そう、何時もなら一位跡部。二位忍足。
のはずが今回撫子が二位。

「フッ三次元萌えの力は偉大なのだよ。」

「おちょくっとんのか。」

「……少々賭に出たんですよ。
やっぱ分かんないもんは分かんなかったから…。前の学校でもって使った手が使えないかなーって思って…。」

「何をしたんや?」

「教えるわけねーだろ。真似されたら次回から俺が崖っぷちに立たされるぜ。」

「チィ。せこいやん撫子!!」

「せこくなんてありませーん。世渡り術でーす。世界は美しく残酷なのさ。」



「お、椿崎やっと見つけた。」

後ろから撫子を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこには英語の担当教諭が居た。

「…なんでしょう?」

対先生用、優等生フェイスを発動させいい子ぶりっ子。
変わる様を見ていた忍足はちょい引き。

「今回のテストの答案。面白いことを思いついたな。
前の学校の先生に電話して聞いてみたら前の学校もそれで切り抜けていたようじゃないか。」

「…はい。」

「先生も度肝を抜かれたが、その発想力嫌いじゃないぞ。」

「ありがとうございます。」

「けど、…そうだなぁ…期末テストも今回のそれで大目に見てやるが、新学期始まったらちゃんとした答案じゃないと点つけないからな。」

「はッ!?」

「じゃ、そういうことだから。」

先生は要件を言い終わり去って行った。

「ちょっ、先生!!」

撫子の叫びもむなしく、
夏休みは英語漬けの毎日になりそうだ。

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