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「え…ここって保健室じゃね?」 鍵がかかっていたようだが不二が開錠した。 撫子はリョーマの手をふりほどきリョーマの前にディフェンスのポーズで立ちふさがる。 「ダメよリョーマ!!ここは心に決めた人と一緒に来て!そん時は私も見学に行くから!出来れば…あー……桃城君と?」 いや、桃城君は受けの…はず。クッ情報が欲しいですッ!!マスター!もしくは臨也さーん! 「え、ちょっ!?」 リョーマは撫子にじりじりと近づいていく。 撫子は後ろ歩きで下がっていった。 「仙人掌さーん、リョーマが暴走してるー。たっけてー。」 「見てるこっちはかなり楽しいから続けて?」 「ヲイ、ってぅわ!?」 撫子は何かにつまづき後ろに倒れた。 幸い背中にはベッドがあり背中を床に打ち付けることはなかった。 「いててて…。」 リョーマはそのまま撫子に覆い被さるポーズをとる。 ついでに撫子の長い髪の毛を一房握り髪にキスをする。 ポカン顔の撫子。 「不二先輩。」 「うん、分かってるよ。 撫子さんこっち見て?」 「え?」 カシャ、 「越前撮れたよ。撫子さんからどいて?」 「ウィーッス。」 リョーマは撫子から退く。 「…リョ、リョーマ…アンタって子は。」 「記念だし…いいっすよね?」 俺女装までしたんで、とニヤリと笑う。 「いや…まぁ、…うん。 つか仙人掌さん助けてよ!あなたの後輩なんか凄いよ!?ビックリダヨー。」 「だって僕も撫子さんのポカン顔カメラに納めたかったしね。ほら僕ってスクープ写真撮るの好きだし。」 「おぉ、味方が居なーい。…………ん?あ、そうだ!!リョーマそこを動かないでね。」 撫子は自分の鞄の中から再び一護のウィッグを取り出し装着。 そしてベッドの横に立ってるリョーマをベッドに押し倒す。 「え!?」 「さぁ仙人掌さん!撮って!絵の資料にしたいから色んな角度で!!」 「うん、いいよ。」 不二は言われたように写真を撮る。 何枚か撮って撫子は満足したようだ。 「そうだね!!絵の資料に写真を撮るのも良いね。 私とリョーマの身長差だったらいい感じの物になるじゃん、ね!」 「フフフッそうだね。」 「仙人掌さん今日は誘ってくれてありがとね!!リョーマも!楽しかったよ。」 撫子は保健室を去ろうとする。 「あ、撫子さん今日撮った写真なんだけど、僕が撫子さんの学校に持って行ってあげるよ。」 「ん?本当!?」 「うん、滝君って言う人に会ってみたいしね。」 「あー…………うん。」 「何かな?その間は。」 「分かってるよ!ホント何から何までありがとう。」 「いいよ、ほら早く帰った方が良いんじゃないかな?」 「そだそだ、ではサイナラー。」 撫子は青学を後にした。 見送った二人もゆっくりと帰る支度をし始めた。 「ねぇ、越前?」 「……なんすか?」 「撫子さんを本当におとそうとしたでしょ。」 「……………。」 「僕は優しいから教えといてあげるけど、撫子さんは越前の事好きになんてならないよ。友達以上恋人未満が良いところだよ。」 それ以前に萌えの対象なんて言われてるし。 むしろ撫子に恋愛感情なんてないと思うんだよね。 「…そんなの撫子さんが恋愛に興味ないって言ってるんすか?」 「え?越前って撫子さんのサイトって見たこと無いの?」 恋愛よりも萌えの方を優先するのに。 「サイト?……見たこと無いっす。」 「ふーん。」 不二は心の中でほくそ笑む。 面白い展開になりそうだと、 「ま、頑張って。応援はするから。」 |
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