青春Destroy | ナノ


094


「え…ここって保健室じゃね?」

鍵がかかっていたようだが不二が開錠した。

撫子はリョーマの手をふりほどきリョーマの前にディフェンスのポーズで立ちふさがる。

「ダメよリョーマ!!ここは心に決めた人と一緒に来て!そん時は私も見学に行くから!出来れば…あー……桃城君と?」

いや、桃城君は受けの…はず。クッ情報が欲しいですッ!!マスター!もしくは臨也さーん!

「え、ちょっ!?」

リョーマは撫子にじりじりと近づいていく。
撫子は後ろ歩きで下がっていった。

「仙人掌さーん、リョーマが暴走してるー。たっけてー。」

「見てるこっちはかなり楽しいから続けて?」

「ヲイ、ってぅわ!?」

撫子は何かにつまづき後ろに倒れた。
幸い背中にはベッドがあり背中を床に打ち付けることはなかった。

「いててて…。」

リョーマはそのまま撫子に覆い被さるポーズをとる。
ついでに撫子の長い髪の毛を一房握り髪にキスをする。

ポカン顔の撫子。

「不二先輩。」

「うん、分かってるよ。
撫子さんこっち見て?」

「え?」

カシャ、

「越前撮れたよ。撫子さんからどいて?」

「ウィーッス。」

リョーマは撫子から退く。

「…リョ、リョーマ…アンタって子は。」

「記念だし…いいっすよね?」

俺女装までしたんで、とニヤリと笑う。

「いや…まぁ、…うん。
つか仙人掌さん助けてよ!あなたの後輩なんか凄いよ!?ビックリダヨー。」

「だって僕も撫子さんのポカン顔カメラに納めたかったしね。ほら僕ってスクープ写真撮るの好きだし。」

「おぉ、味方が居なーい。…………ん?あ、そうだ!!リョーマそこを動かないでね。」

撫子は自分の鞄の中から再び一護のウィッグを取り出し装着。
そしてベッドの横に立ってるリョーマをベッドに押し倒す。

「え!?」

「さぁ仙人掌さん!撮って!絵の資料にしたいから色んな角度で!!」

「うん、いいよ。」

不二は言われたように写真を撮る。
何枚か撮って撫子は満足したようだ。

「そうだね!!絵の資料に写真を撮るのも良いね。
私とリョーマの身長差だったらいい感じの物になるじゃん、ね!」

「フフフッそうだね。」

「仙人掌さん今日は誘ってくれてありがとね!!リョーマも!楽しかったよ。」

撫子は保健室を去ろうとする。

「あ、撫子さん今日撮った写真なんだけど、僕が撫子さんの学校に持って行ってあげるよ。」

「ん?本当!?」

「うん、滝君って言う人に会ってみたいしね。」

「あー…………うん。」

「何かな?その間は。」

「分かってるよ!ホント何から何までありがとう。」

「いいよ、ほら早く帰った方が良いんじゃないかな?」

「そだそだ、ではサイナラー。」

撫子は青学を後にした。
見送った二人もゆっくりと帰る支度をし始めた。

「ねぇ、越前?」

「……なんすか?」

「撫子さんを本当におとそうとしたでしょ。」

「……………。」

「僕は優しいから教えといてあげるけど、撫子さんは越前の事好きになんてならないよ。友達以上恋人未満が良いところだよ。」

それ以前に萌えの対象なんて言われてるし。
むしろ撫子に恋愛感情なんてないと思うんだよね。

「…そんなの撫子さんが恋愛に興味ないって言ってるんすか?」

「え?越前って撫子さんのサイトって見たこと無いの?」

恋愛よりも萌えの方を優先するのに。

「サイト?……見たこと無いっす。」

「ふーん。」

不二は心の中でほくそ笑む。
面白い展開になりそうだと、

「ま、頑張って。応援はするから。」

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