K(伏見)

今までの流れを踏まえてネタばらし


(どういうこと?)
そう聞きたかったのに声が出なかった。声が出ないのはストレインの所為で、解決するには伏見くんのいる警察?の力を借りなければならなくて、だから伏見くんは色々私に親切にしてくれた。何処もおかしいところなんてない。
先程の、伏見くんの上司の人が言ったことの意味が理解できない。
(伏見くん、教えて)
私が今声を出せないのは伏見くんの所為なのか。既にストレインは捕まっていて、私の声は戻せるはずなのに伏見くんがそれをさせないから?
「チッ……余計なこと言いやがって……」
舌打ちをする彼の方を見る。忌々しげに吐き捨ててこちらを振り返る瞳が怖い。今までと何かが違う。何の感情も読めない。怒っているのか、すら。
「まぁいい。準備はできてる……おい、来い」
(ちょっと待って、何処に)
「もう逃がさねぇよ」
にたりと笑う、そんな笑顔は初めて見た。
腕を掴む彼の手の強さに驚く。こんなにも伏見くんの力は強かったのか。振り払うこともできず、引きずられるように腕を引かれ、一体どこへ行くのだろうか。