偽りを貫けば正義




「竹中祐(たけなか ゆう)です。宜しくお願いします」


目の前にいる幹部たちに礼儀よく挨拶をする。もちろん名乗った名前は適当な偽名。

今宵は一度新選組に名乗ってしまってますからね。




俺は局長、副長、総長の三人がいる部屋に連れられ仮入隊を許可してもらい、今から入隊試験として手合わせをすることになった。


どうやら新選組は実力に見合う立場をもらえるらしい。つまり、強ければ強いほど上の位がつく。

実際に入隊していきなり伍長、なんてこともあったそうです。





「ねぇ君、どっかで会ったことなかったっけ?」


一番組組長の沖田さんが話しかけてくる。彼の言葉を聞いて一瞬ドキリとした。あのとき遭遇したのがまさかこの人なのがろうか。


「沖田組長とは今日初めてお会いしたと…あ、もしかしたら町で会ってるかもしれないですよ」


俺が落ち着いて答えれば、ふぅん、と納得したのかしてないのかわからない声をあげる沖田さん。…感ずかれたのだろうか?とりあえずそれ以上は聞いてこないので良かったということにしましょう。





「じゃあ今から竹中の入隊試験を行う」


副長の土方さんがそう言ったのる。

そういえば一体誰と手合わせをするのでしょうか。


「今回は斎藤に…」


「え?僕じゃないんですか?」

土方さんの言葉に被さるように沖田さんが口を挟む。


「てめぇが手合わせしたら竹中がただじゃすまねぇだろうが!」


土方さんが放った言葉にうんうんと頷く男たち。となりにいた藤堂さんいわく、総司はは容赦がねぇ、らしい。隊士たちの稽古も怪我人が続出だとか。


「まぁそういうわけだ、斎藤頼むぞ」

「御意」


斎藤さんが前に出る。沖田さんはぶつぶつ言ってますがとりあえず見ないことにします。

俺と斎藤さんは木刀を渡され、お互い向き合うようにして立つ。俺的には真剣でも良かったんですが、危ないらしく木刀です。


「自由にやれ。俺たちは竹中の実力が見れたらそこで止める」


土方さんの一言でお互い構える。どうやら斎藤さんは居合いが得意らしいですね。構えが居合いのものです。


さて、どうしましょうか。ここで思い切りやってもいいのですが、あまり目立ってしまうと良くないでしょうし。だからといって平隊士ではなんのために偵察に来たのかわからないですし。




「それでは、始め!!」




困りましたね。



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