2人でカラオケ



「敏弥さん何か飲むー?」
「んー?ビール頼んでー」
「また飲むのかよー」
「煩いなーいいじゃーん。ルキ君何飲むのー?」
「俺はー…カルーア」
「あは。お子様〜」
「うっせーよ馬鹿。腹減ったし何か食おうかなー」
「ここ食べ物美味しいよねー。昔よく飲み会したわ」
「大体ここが鉄板だよな」
「そうだよねー。ルキくーん」
「何だよ甘えんなって」
「んー」


敏弥さんと飲みに出て、2人して酔っ払ってノリでカラオケ来てみたり。

まぁ新宿だし、昔よく飲み会すんのに使ってたカラオケ店に入って。
2人にしては広めの部屋。
ソファに座ってメニューを見てるといい感じに酔っ払って上機嫌の敏弥さんが俺の肩に腕を回してキスしながら甘えて来た。

まぁ俺も酒入ってっから気分いいし、文句を言いながらもキスに応じる。

お互いの唇を啄みながら、軽く舐めて音を立てて唇を離す。


敏弥さんは俺の後ろに座って腕を絡ませたまま頬や耳にキスして来る。


その様子を無視して、タッチパネル式のリモコンを操作してビールとカルーアを注文する。
また後でデザートでも頼も。


「はいはい、飲み物注文したからね。離れてね敏弥さん」
「はーい」
「ん、いい子」


そう言うと敏弥さんは素直に離れてテーブルを挟んだ向かい側に座った。

糞長い足を組んで、煙草を取り出して咥える一連の流れをやっぱ格好良いなーとか思いながら見つめて、自分も煙草を咥えて灰皿を引き寄せる。


「敏弥さん何か歌えよ」
「やだよー。歌うのはルキ君のが得意だろ」
「んー」


煙を吐き出しながら笑って言う敏弥さんを見て、デンモクを操作する。
したら、ノックされて扉が開いて、注文したビールとカルーアが来た。


「はいルキ君二次会もかんぱーい」
「おー。今日もお疲れー」


二次会って、2人だけどな。
楽しそうに笑う敏弥に笑みを浮かべてグラスを合わせて一口飲む。

甘い。


「よっし、DIR歌うから敏弥さんコーラスして」
「えぇー」
「いいじゃん。ほらマイク持って」
「もー仕方無いなー。京君の唄、歌えんのー?」
「任せろ!」
「あはは、ルキ君もバンドしてんだからそこ威張るトコじゃねーよ!」
「大丈夫だいじょーぶ」
「何がだよ」


笑う敏弥さんを見て、イントロが始まったからお互い立ち上がる。

何かすげー馬鹿っぽい。

カラオケで何やってんだって言うね。










「ッあー…、すっげ楽しかった」
「…ルキ君、よく俺がコーラスしてる曲覚えてるね」
「んーまぁ、敏弥さんだし?」
「京君の声しか聞いてねーのかと思ってたー」
「はは、お前自分の恋人見くびんな」
「うーわ、何か偉そうでムカつくんですけどー」


そりゃライブで観てんだから、敏弥さんがコーラスする曲ぐらい覚えてるっつの。

一通り、DIRの曲を歌ってスッキリしてまた座る。
もう氷で薄くなったカルーアで喉を潤してまた煙草を咥えた。


いつもカラオケでコーラスがある訳じゃねーし、実際の敏弥さんのコーラスされるとライブ感覚ですっげー気持ち良かった。


敏弥さんもマイクを置いて、飲み干したビールの代わりのモンを探してメニュー表を見てて。


「そう言えば敏弥さん所はどうやってライブ中のコーラスする人決めんの?」
「ん?昔はオーディションしてたけど、今は京君が名指ししてるかな。皆の声覚えたっぽいし」
「あーそうなんだ?」
「うん。でもリハの時に気に入らなかったら別の人に変更したりするよ。ルキ君トコは?」
「あー俺んトコもそんな感じ。しっくり来るかどうかは歌ってみなきゃわかんねーしなー」
「だよね。でも一番良いのを追求する京君の姿勢は好きだけどね。すっげーダメ出しされるし」
「うわー俺も京さんに指導されてぇ」
「あはは。何言っちゃってんのルキ君キモい」
「うるせー」


煙草の灰を灰皿に落として、煙を吐き出す。
敏弥さんはタッチパネルでまたアルコールを頼んでた。


「あ、俺も頼んで。ハニートースト」
「こんな時間に食ったら太るよー」
「腹減ったし。敏弥さんにも食わしてやるから」
「いらねー!ルキ君のデブ!」
「ンだとこの筋肉マン!」


お互い声を上げて罵って、顔を見て吹き出す。
いつもの事だし、アルコール入ってると何もかもが楽しい気がする。


敏弥さんも。

だって敏弥さんどっちかっつーと、カラオケ来ても歌う事なんてねーもんな。

ライブであれだけ吠えてんのに。


恋人の我儘を笑って聞いてくれる、その状況がすげー好き。


ノリでたまたま来たけど、こう言うのも楽しいしまた来よっかなー。
ペット同伴OKなカラオケ店もあるから、次はコロンも連れて。


「ルキ君の唄、歌ってよー」
「はいはい」
「ルキ君の歌声も、結構好きー」
「……」


敏弥さんも可愛いしね。


END


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