海外遠征からの帰宅



久しぶりの日本。
長時間の乗り継ぎの飛行機での移動の後、やっと辿り着く。

海外の空気と日本の空気はやっぱ違う気がする。
日本の雰囲気の方が落ち着く。


長時間の飛行機でぐったり身体が疲労してる中、自分のデカいキャリーも回収してロビーへと向かう。
スタッフの説明では、この後は各自自宅に送られるとの事。

メンバーも聞いてんのか聞いてないのかわかんないぐらい疲労困憊気味で。


あー、俺も早く帰って寝てー。


今日はルキ君が空港まで迎えに来てくれるっつってたんだよね。
何処にいるんだろルキ君。

空港って人多いし、ルキ君ちっせーからわかんねーよ。


そんな事を思いながら、メンバーやスタッフがいる位置から少し離れてロビーを見渡す。


「───敏弥さん、お疲れ」
「ルキ君!もーちっさいから何処にいるのか探しちゃったよー」
「あ、疲れてると思ったから荷物持ってやろうかと思ったけどもう無理。やめやめ」
「嘘うーそ!久しぶり!今日もキマッてんね!」
「ふん」


後ろから声を掛けられて振り返ると夏なのに全身黒で固められた服装、サングラス姿のルキ君が立っていた。

写メで貰ったけど、ホントに金髪になってるー。

格好良いー。

やっぱちっさーい。


ルキ君は俺のメンバーやスタッフに律儀に挨拶をして。
俺もスタに事情を説明して、ルキ君の元へ。


「ルキ君荷物持ってー俺疲れたー」
「…土産は」
「買って来たよ。クロムハーツ」
「うっそマジで!?敏弥さん愛してる!」
「うーわ、ゲンキン。円高で超安かったよー」
「じゃ早く帰ろうぜ」
「うん。じゃ、皆お疲れ様ー」


メンバーやスタッフの方に挨拶して、デカいキャリーをルキ君が引っ張る。
他の細かい荷物は俺が持ってタクシー乗り場へ向かった。














「ただいまー…」
「お帰り。お疲れ」
「もうほんっと疲れたよー…海外移動ばっか!」
「はいはい、お疲れ様」


自分のマンションの玄関を開けた瞬間、自分ちの匂いに安心する。
扉を閉めて、ルキ君を抱き締める。
久々に感じるルキ君の体温と匂い。

ルキ君も俺の背中に腕を回してぽんぽんと優しく叩く。


ルキ君の首筋辺りに埋めてた顔を上げてサングラスを外す。

目を細めて、ゆっくりとルキ君の唇に唇を合わせた。


久しぶりのルキ君とのキス。


角度を変えて、唇を合わせるキスを何度も繰り返す。

「はー…敏弥さん久々」
「またライブツアーあるけどね」


体格的なモンで、ルキ君が俺に抱き付いたら胸元に顔を埋める形になって。
片頬を俺の胸元に当てて、ぎゅっと抱き付く。

ドアに身体を預けてルキ君の身体を抱き締め、その髪を撫でる。


「俺もこの後、仕事あんだよね」
「そっか。頑張って」
「おぅ。飯作ってるよ」
「わーい。何?」
「肉じゃがとホウレン草のおひたしと五穀米と味噌汁」
「いいね、美味しそう。海外は日本食ねーからさぁ」
「だろ」
「ルキ君いい嫁になるよ」
「や、俺は旦那希望なんで。敏弥さんが嫁で」
「残念、俺の方が年上ですから」
「歳は関係ありません」
「我儘ー」
「はは。ま、疲れて寝るだろうけど、コロンも遊んでやってよ。敏弥さん帰って来たら喜ぶよ」
「うん、コロンに会うのも久しぶりー」


そう言いながら、玄関で密着離れる気配無し。

久々にお互いの熱を堪能。

この腕の中に収まるサイズがいいんだよルキ君。

言ったら怒るけどね。


「また海外のライブの話してよ」
「いっぱいあるよー話題」
「あ、その前に土産。クロムハーツ」
「もー!今ラブラブタイムだろ!空気読めよなー」
「知らね。ホラ、俺が仕事行くまでに荷物解くぞ。土産と洗濯物出せ」
「はいはーい」


くっついてたのが離れて。
靴を脱いでキャリーごと廊下へ上がる。

ご飯用意してくれてたり、洗濯してくれたり、ルキ君が嫁でもいいと思うんだよね。
気遣いしてくれる、よく出来た嫁です。


「うわ!これとかマジかっけーじゃん!敏弥さんありがと!」
「気に入ってくれてよかったよ」
「今日仕事にしてこ。また海外行った時よろしく」
「……」


ちょっとお金のかかる嫁っぽいです。



END


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