ルキ+敏弥/リバ



きっかけってよくわかんねーけど。
Dir en greyのライブに招待されて打ち上げも呼んで貰って。

京さんに挨拶しようと思ったけど、やっぱよく思われてねーのか無視されて。

気軽に話し掛けてくれたのが敏弥さんだったんだけど。


結構意気投合してメアド交換して飯食いに行ったりしてて。


きっかけ向こうだったんだけどっつーか、まぁ、乗っかられてセフレの状態続いて色々あって。
今付き合うまでいっちゃって、俺自身も何でかわかんねー。


…好きだけど。
たまに腹黒いトコとかね。










「ちょっと話聞いてんの?」
「聞いてる」
「嘘だろ。じゃー俺今何の話してたんだよ」
「…仕事の事?」
「やっぱ聞いてねーじゃん。顔トリップしてたしありえねー」
「あーうん。何か付き合ったきっかけとか思い出してた」


色々あって、喧嘩しまくって、もう先輩も糞もねー言葉言って。
それでも結局、こうして一緒にいるのは好き、だから。


仕事帰りに待ち合わせて、適当に騒がしい半個室の居酒屋に2人で入って遅い晩飯。


2人同じマンションに帰るのに、こうして待ち合わせして飯食って、時々ラブホ行ってってすんのは。
長年一緒にいてだれた関係の刺激にはちょうどいい。


「何なに。あの頃はよかったなーとか、そう言う系?」
「や、寧ろよくここまで来たな敏弥さん相手に系」
「何だそれ」


そう言って目の前で、目を細めて歯並びの悪い笑顔を見せて来るのは、昔と何ら変わりはない。

いつも無邪気に笑って、何考えてんのかがわからなかった。

今は、そう言う所も好き。


「だって敏弥さんの人間関係、めちゃくちゃだったじゃん」
「あの頃は俺の中で何人斬り出来んのかブームだったからねー。ルキ君も人の事言えなかったけどね」
「はは、確かに」
「でも楽しかったなー」
「今はすんなよ」
「さすがにしねーよ。飽きたし」
「飽きなきゃすんのかよ」
「えー?嫉妬?」
「うわー、ムカつく」
「ふふ、嘘だよしないよ。ルキ君の世話で精一杯だよ俺は」
「俺が世話してるっつの」
「絶対ぇ嘘」


機嫌良く笑って、ビールを飲む敏弥さんと向かい合って。
ほとんど酒のあてしか頼んでない料理を箸で摘んで食べる。


アルコールは最近飲めるようになったけど、やっぱ進んで飲みたいってワケでもねーし。

目の前の人はすげー飲んでるけど。
いつもの事。


アルコール入ったらハイになる事が多いから、今日もテンションが高ぇ。


「ってかルキ君も飲みなってー。最近飲めるようになったじゃん」
「そりゃ敏弥さんに毎回付き合わされてりゃな」
「気分悪くなって大変だったねー」
「ホントだよ」
「まぁアレだ。酔わせてホテル連れ込む予定だから、飲みなよ」
「もうそれ完璧俺の立場だから。飲み過ぎ」


どんな予定だよ。
この状態でラブホなんか行ったら完璧泊まりじゃん。

明日もお互い仕事入ってるし、タクシーで連れて帰ろ。


「いいじゃん、たまには。もうすぐライブで飲めなくなるし」
「まぁそうだけど」
「またライブ来なよ」
「行くよ。けど、楽屋挨拶行くの未だに慣れねーよ」
「あぁーアレ面白いよねー。ルキ君、京君相手に萎縮してんの丸分かりだし」
「お前笑って見てねーでちょっとはフォローしろっつの…」
「やだよ。見てる方がウケる」
「はぁ」
「ってか他のメンバーには遠慮して、俺にはしないってどう言う事」
「今更、遠慮も糞もねーだろ。してたらこっちの身が保たねーっつの」


いい歳した男同士が、好きだの嫌いだので大喧嘩して、ここまで来たんだから。


「まぁいいけどね。遠慮してるルキ君とか気持ち悪い」
「何だとコラ」


今はこう言う関係になって、しんどかった昔の事もよかったと思えるようになった。


それは多分、敏弥さん相手だったからと思うから。

調子乗るから、絶対言わねーけどな。




20100823


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