ENVY and REPOSEA※/敏京
「…敏弥!嫌やって…!」
「……」
ホント苛つく。
マジ何なんだよあの女。
俺の京君に何してんの。
ありえねー。
あの糞ビッチ死ねよ。
飲み会の場所から、京君の手を引いて歩く事数分。
もう夜中3時を回った所だけど、場所が繁華街って事もあってすぐに目的の場所に着く。
その場所に一塊になってるから、クリスマスって言っても意外に部屋は空いていて。
悪趣味な造りのラブホテルに、京君を引っ張りながら入ろうとしたら。
今まで大人しく着いて来てた京君が足を止めて反抗した。
京君の方へと視線を向ける。
そのまま、掴んでた腕を引くと踏ん張って反抗された。
いつもだったら優しく出来るのに、今は腹立ってその思い通りにならない行動さえイラつく。
「…何。行くよ」
「嫌や」
「……」
「なぁ、とし、」
「こんなラブホの入り口で男2人だと目立つよ?夜中だけと人はまばらにいるし」
「……」
京君が何か言い掛けたのを遮り、そう言うと京君は視線だけで周りを見た。
チラホラ人がいるけど、都会の人間なんて他人に無関心だけどね。
「ホラ、行くよ」
「ゃ…」
「…きょーくーん」
「……」
動かない京君に笑ってふざけた口調で名前を呼んだら、京君は俺の顔をじっと見て。
俯いて大人しく歩き出した。
それを見て、腕を掴んだままラブホに入って選択肢のあまりない部屋を選んで。
エレベーターに乗ってその部屋に進んだ。
部屋はいかにもラブホテルって内装だけど、そんな事どうでもいい。
「ッ、とし…!?」
部屋に入るなり、京君を広い造りのベッドに押し倒す。
スプリングが効かないベッドで、仰向けに押し倒した京君の上に乗り上げて。
京君の両手を押さえ付けて、顔を見下ろす。
「…痛い。離せや」
「何、さっきの」
「は?」
「さっきの何?何気軽に女に触らせてんの?」
「い゛…ッ」
京君の手首を掴む手に更に力が入って。
アルコールが入って赤くなった顔が歪む。
「やめぇやボケ!痛い!勝手に出て来て、まこにも…っ」
「今そんな話してないだろ。俺がトイレ行ってる間に、何してんの?」
「やって知らん女が勝手に…、」
「だから何?嫌がればいいだろ。それとも京君は女の方がいいのかな?」
「触、んな…!」
「ダメだよ。京君は俺のなんだから」
片手で京君自身を服の上から握る。
形を確かめる様に手を這わすと、解放された片手で俺の肩を押して来た。
女はよくて、俺はダメなのかよ、って。
本気の抵抗をしない京君を押さえ付けて、撫でてた股間から手を滑らせてズボンのボタンを外す。
「ッ、敏弥…!?」
「暴れないで」
「なぁ、待てや、ちょぉ…っ」
「……」
いつもと違う始まり方。
キスも何もない。
けど、今はそんな気分になれない。
何で振り払わなかったの?
やっぱ女との方がいいの?
その現場を見てた筈なのに、京君の女に対する曖昧な態度が怒りと、不安で俺をいっぱいにする。
無理矢理、京君のジーンズを脱がして。
下着も剥ぎ取る。
「はは、ちょっと勃って来たね」
「…ッ、やめろや…!」
「ねぇ、女の子に触られて興奮した?」
「する訳ないやろボケ!」
「ホントに?触ったらこんなに勃っちゃうのにねぇ?」
「っるさ…!」
もう片手も離して、京君の露出した両足を掴んで開かせる。
その間に身体を割り込ませて、足を開かせたままの状態で京君を引き寄せた。
京君は身体を起こしたいようだったけど、俺が足を掴んでるから無理みたい。
こんな事されて、勃って来てる京君はマゾなのかな。
ま、生理現象だろうけど。
屹立した自身と、後ろの穴ががんかに広がる。
自分の指を舐めて、指を1本中へと入れようとした。
「ッあ…敏弥…!」
「…キツいね」
「待てや、待っ…、痛…ッ!」
「息吐いて。入らない」
「入れんかったらえぇやん…!」
「ヤだ」
「嫌やって…!はっ、ぁ…!」
「ほら、慣らさなきゃ痛いのは京君だよ?」
「ふ、ぅ…っ、あ、も…!」
京君が息を吐いた瞬間、中へと指を埋め込む。
シーツに顔を埋めて、眉を寄せて耐える京君。
京君のこんな顔を見れるのは俺だけ。
震える手が、俺の手を弱く掴む。
いつもと違うセックスに、少なからず興奮を覚えたのも確かで。
好きなんだもん。
京君の事が。
頭がおかしくなるぐらい。
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