お互い唯一の存在/敏京




「きょーくーん」
「近寄って来んなコラ」
「冬だから寒いんだもん」
「炬燵あるやん。暖房もついとるし」
「でもこうして2人でくっついてれば尚更あったかいしねー」
「はいはい」


京君ちでまったり中。

炬燵の中に2で入って、俺はゲームしたり京君は新しく買った雑誌読んだりして各々好きに過ごしてたんだけど。

ゲームやるのも飽きちゃったし、京君が入ってる炬燵の一片に俺も入る。


一人暮らし用の炬燵だから、2人で入るとちょっと狭い。

けど、くっつけるから全然オーケー。


腹這いになって雑誌を読んでた京君はくっついて来た俺をチラッとこっちを見て眉を寄せて。

嫌そうにしながらも好きにさせてくれるから、京君の身体に腕を回して髪にキスをした。


女の子扱いしてるワケじゃないけど、京君が愛しくてつい甘やかしちゃうんだよね。


「あ、これ格好良いね」
「敏弥好きそうやんな」
「京君はこれとか似合いそう」
「うん、好き」
「クリスマスに買ったげよっか?」
「高いしえぇよ」
「えープレゼント何がいい?」
「うーん…」


京君が見てるアクセの本を一緒に見て。

格好良いデザインがいっぱいある。


もうすぐクリスマスだし、何か欲しいの無いのかな京君。


そう思いながら、京君の左手薬指に鈍く光る銀のリングを弄り髪に擦り寄る。


「はー…甘えんなよデカい図体して。しゃーない奴やなー」
「だって京君好きなんだもーん」


京君が雑誌を閉じて、身体を動かして俺の方を向いて寝転んだ。

顔は楽しそうに笑ってる。


可愛い。


イチャイチャタイムが始まって笑みを浮かべながら京君の身体に伸し掛かる様にして、唇を近づけた。


厚みのある下唇に吸い付くと、京君も応えて。


炬燵の中で京君の足が俺の足に絡んで来て、首に腕が回ろうって時に携帯が鳴った。


「……」
「…あ、俺や」
「誰?」
「んー。ガラやった。何ー?」
「……」


手探りで近くにあった携帯を取った京君は、着信相手を確認して直ぐ様電話に出た。


イチャイチャタイムは一旦お預け。


「久しぶりやん。元気なん?あーほうか」
「……」


俺の下で、寝転がったまま電話する京君は俺の方を見上げて。


拗ねた表情してたかもしんない。


京君は話しながら目を細めて笑って、頬を軽くぺちぺちと叩かれた。


ちぇ。
何か宥められた感じ。


なーに楽しそうに話してんのー。


ガラ君とは後輩の中でも特別仲良いの知ってるけどね。


ゆっくりと身体を倒して、京君の首筋に擦り寄った。

京君の匂い。


したら京君の指が、俺の髪を弄るのがわかった。


近寄ると、京君の携帯からガラ君の声もちょっとだけ聞こえて来て。


『京さん25日の夜ってか多分始まるのは夜中なんですけど、空いてます?』
「ライブ無かったら夜中からやと空いとんちゃう?」
『クリスマスパーティーと言う名の飲み会あるんですけど、京さん来てくれませんか』
「あー…」


その声を聞いて、顔を上げて京君を見る。

京君も言葉を詰まらせて俺を見てて。


『大体みんな彼女連れて来るんで、京さんもよかったら敏弥さんと来て下さい』
「敏弥と?いけるん?」
『平気ですよ。彼女いない人もいるんで…あ、無理だったらいいですけど…』


そうガラ君が言ったら、京君は少し携帯をずらしてこっちを見て来た。


「…敏弥。ガラ達が25日の夜から飲み会するんやって」
「行くの?」
「うん。でな、敏弥も来ぉへん?」
「俺も行っていいなら行くよ」
「えぇの?」
「いいよ。楽しそうだし。でもイブは2人きりね」
「ん。…あ、ガラ?ほな敏弥と行くわ。また場所とかメールして。うん、うん、ほなな。おやすみー」


携帯を切って、そこら辺に置いた京君は俺の方に向き直って首に両腕を絡めて来て。

さっきのイチャイチャの続き要求。


「俺も行っていいの?」
「えぇよ。本カノ連れて来るみたいやし」
「京君の本命俺だもんねー」
「はぁ?本命も糞も敏弥しかおらんし」
「ッもー!可愛い子!!」
「はぁ?うっざ」


京君から超嬉しい事聞いて、京君の頭を両手で固定して顔中にキスしまくった。

嫌そうにしながらも笑って、俺の首に回した腕で背中をぺしぺし叩く京君。


俺も京君だけだよ。


ってか、時々飲みに行ってたりする後輩君達に会ってみたかったしね。


表立って関係性は言えないけど、大好きだもん。


誰にも渡さない。




20101217



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